
「中学時代は成長痛にずっと悩まされていた」
プロ入りがすでに決まっている森重選手は、昔から特別なプレーヤーだったわけではありません。中学生時代は名門の東京ヴェルディ・ジュニアユースに所属していましたが、苦しい毎日を過ごしていました。
「膝が痛くて、まともにプレーできなかったんです。中学時代は成長痛にずっと悩まされ、練習すらあまりできない状況で……。思いどおりに動けるようになったのも、試合に出られるようになったのも、中学3年生の夏頃でした」
守備の要となるセンターバックとして無限の可能性を秘めながらもアピールする時間が足りず、東京ヴェルディユース(高校年代のチーム)への昇格は叶いませんでした。ふるいにかけられた悔しさは、今も忘れていません。それでも、プロサッカー選手になる夢をあきらめるつもりはありませんでした。思いを胸に森重選手が選んだ道は、全国高校選手権でベスト4、インターハイで準優勝の実績を持つ地元の日大藤沢高校への入学。ヴェルディを出て、高校の門をくぐる前に心に誓いました。
「高校3年間で絶対に見返してやる」
中学卒業後は体の成長速度が緩やかになり、苦しめられてきた成長痛からようやく解放されました。身長192cmで高校に入り、佐藤輝勝監督らの指導の下、積極的に取り組んだのは、体の動かし方をスムーズにするコーディネーショントレーニング。コロナ禍の影響により、クラブ活動の自粛を強いられた時期も手を抜くことはありませんでした。夏休みが明けた頃になると、体のバランスが整い、見違えるように俊敏性も向上したと言います。
「今まで以上に跳べるようになりましたし、足も速くなったんです。切り返しの動きもスムーズになり、体の無理が利くようになったと思います。中学時代はあまり動けなかったのですが、高校ですっかり変わりました。コーディネーショントレーニングの成果を実感しています」