アマチュア

「疲労を残すと100%の力が発揮できない」(2 ⁄ 3)

Nihon University Fujisawa Senior High School
Soccer

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「ケガで試合に出場できないのは絶対に嫌」

ただ、レギュラーの座をつかむまでには、少し時間がかかりました。日大藤沢高校のサッカー部は150人を超える大所帯です。1年時はトップチームに入り、強度の高い練習に食らいつくのが精いっぱい。中学時代に比べると、走る量も格段に増えました。まず気をつけたのは準備です。1年生のある日を境に、ケガ予防の意識は高まったと言います。全国高校選手権の予選を控えた秋口でした。3年生がケガで戦線を離脱し、最後の公式戦に出場できない姿を目の当たりにしたのです。
「ケガで試合に出場できなくなるなんて、絶対に嫌だと思いました」
致し方ない場合もありますが、リスクは軽減できます。森重選手はチーム全体で行うウォーミングアップの前から体をほぐし、ストレッチをしています。他の選手に比べると、足首の可動域が狭いため、少しでも広げるようにしているのです。個人的に疲労の溜まりやすい腰に刺激を入れるのも、大事なポイントです。
そして、疲労を残さないことにも気を使います。練習が終われば、学校から30分かけて帰宅し、自宅でリカバリーケアに時間を使うのも毎日のことです。
「疲労を溜めないように体のケアは、必ず行うようにしています。佐藤監督、トレーナーからいろいろと教えてもらい、食事後に温冷交代浴、ストレッチはしています。次の日に疲労を残してしまうと、100%のパフォーマンスが発揮できなくなりますから」
自らの体と向き合いながらコツコツと努力を重ね、2年生の4月からは公式戦に出場。スターティングメンバーとして固定されるようになると、筋力トレーニングを始めてパワーアップにも着手。
「試合に出るようになり、体をつくらないとやっていけないと思ったんです。パワーが付いてくると、高校年代の試合では当たり負けしなくなりました」
体のサイズとともにプレーの幅も広げ、2つのポジションをこなすようになりました。センターバックに加えて、前線で点を取るFWでもプレー。大きくて動けるタレントはいずれの持ち場でも異彩を放ち、瞬く間にプロ関係者も注目する高校生になっていきます。今年4月、7月には獲得オファーのチェックを兼ねた清水エスパルスの練習に参加。そして、9月1日には同クラブから来年度の加入内定が発表されました。森重選手はプロ選手と一緒に過ごすなかで、多くの刺激を受けたようです。
「プロの世界で長く活躍している選手は、体のケアにすごく気を使っていました。トレーニングが始まる随分前から練習場に来て準備をしていますし、練習後も時間をかけてリカバリーケアをしています。今後、僕自身もプロとして長く活躍していくためには必要なことだと思いました」

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