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アントラーズユースで徹底される『傷害予防』とケガからの復帰方法(1 ⁄ 3)

Antlers academy youth
Soccer

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コンタクトスポーツのサッカーに外傷はつきものです。ベストはケガを未然に防ぐこと。仮に故障すれば、その後の対応が大事になります。2023年鹿島アントラーズのユース(高校年代)でトレーナーを務めた小室貴之氏にサッカーでよく発生する肉離れ、捻挫の予防、応急処置、リハビリの話を聞きました。

サッカーでよくあるケガの応急処置方法

一般的にサッカーの練習、試合でよく発生する外傷は、太もも裏の肉離れ、足首の捻挫。太もも裏はハムストリングスと呼ばれており、その呼称を聞いたことがある人も多いと思います。肉離れの中でも、発生頻度の高い部位です。実際、理学療法士の資格を持つ小室トレーナーが見てきたアントラーズユースでも多かったと言います。応急処置として行うのはRest(安静)、Icing(冷却)、Compression(圧迫)、Elevation(挙上)の頭文字を取ったRICE処置。最近ではProtection(保護)、Optimal Loading(至適負荷)、Ice(冷却)、Compression(圧迫)、E:Elevation(挙上)のPOLICE処置も一般的になりつつあります。
「アイシングする際にラップをよく使いますが、できるだけ空気を抜いた状態で圧迫するのがポイント。ハムストリングスの肉離れであれば、あらかじめ準備しておいた当て木やパッドを押し当て、固定してから圧迫するといいでしょう。足首の捻挫であれば、内くるぶしに合うようなダンボールを切って、代用してもいいと思います。医療関係者は『U字パッド』と言いますが、当て木、パッドを当てると、圧迫の効率が良くなると言われています」
圧迫するときの注意点は締めつけすぎないこと。太もも、足首も血流が止まらないように気をつけます。肉離れ、捻挫ともに地面に足を着いて痛みがある場合、歩行は避けたほうがいいと言われています。捻挫は骨折の疑いもあります。外側、内側のくるぶしを手で押して痛みがあるとき、大きな腫れがあるときは、痛めた足側に体重をかけないようにします。状況に応じて、病院で診断を受けさせます。
「自分の身体をよく知ってもらうために選手本人にケガがどのような状況なのか、考えてもらっています」

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