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アントラーズユースで徹底される『傷害予防』とケガからの復帰方法(3 ⁄ 3)

Antlers academy youth
Soccer

目次

アントラーズユースで徹底される『傷害予防』

一度ケガをすれば、二度としたくないものです。もちろん、ケガはしないにこしたことはありません。そこで、大事なのが予防。鹿島のアカデミー(下部組織)では『傷害予防』と呼ぶ10項目の準備運動を徹底しています。肉離れ、捻挫だけではなく、股関節に痛みが出るグロインペイン症候群、腰椎分離症などを防ぐ目的もあります。
「チームによってはムーブメント、動き作りなど、呼び方はいろいろあると思いますが、鹿島では傷害を予防する『傷害予防』という呼び名で受け継がれています。必要な時間は約10分程度。練習前、試合前に行っています。理想はその最中に選手自身がコンディション、違和感、異変を感じ取れるようになることです」
疲労を残さないためのリカバリーケアの意識も高いです。普段の練習後はすぐに夕食を取ることを優先しつつも、温冷交代浴にはじまり、セルフで筋肉をほぐすことも各自で行っています。マッサージガンを使う選手もいれば、提供されているオムロンの低周波治療機を使用する選手もいるようです。
「個人的に勧めているのは、マイクロカレントモードでのケア。ホームゲームであれば、寮に戻ってからゆっくりと使えばいいですし、アウェーゲームであれば、バス移動の間で使用するのもいいのかな、と思います。トレーナーとしては選手たちが、どの部位にパッドを貼っているのかが気になっています」
応急処置、リハビリ、予防の考え方と一貫しているのは、選手自身に身体をケアする自覚を促すこと。トレーナー、指導者から指示されて、行動に移すのではなく、主体的に取り組むことでケガは減り、再発を防ぐことになると言います。小室トレーナーが大切にしている言葉は『凡事徹底』。昨季、プレミアリーグ昇格に導いた鹿島ユースの柳沢敦監督も、言い続けたようです。
「当たり前のことを当たり前にする」
身体のメンテナンス、コンディションの管理にとって、最も重要なことかもしれません。

<団体紹介>

アントラーズアカデミー ユース

公式ホームページ:https://www.antlers.co.jp/academy/youth

小室 貴之さん

埼玉県出身。理学療法士、日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナーの資格を活かして、アントラーズスポーツクリックで理学療法士として勤務。
2023年は鹿島アントラーズユースのチームトレーナーも兼務。

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