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選手権で最も神経を使ったのは疲労回復(1 ⁄ 3)

Aomori Yamada High School Soccer Club
Soccer

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過密スケジュールのなかでも勝ち続ける高校サッカーの強豪チームは、いかにしてコンディションを整えているのか。2023年度のJFA U-18高円宮杯プレミアリーグ、全国高校選手権の2冠を達成した青森山田高校の正木昌宣監督に話を聞きました。

連戦をイメージして疲労を抜く習慣をつける

2024年1月に2大会ぶり4度目の高校日本一に輝いた王者は、春を迎える前から夏のインターハイ、来冬の全国高校選手権を見据えて、準備を進めていました。22年秋からチームを率いる正木監督は、コーチ時代を含めて青森山田高校で20年、指導しています。長い経験を活かし、1シーズン戦い抜くコンディションづくりをしていると言います。
「インターハイは26回、選手権はともに29回出場。プレミアリーグも13年目(12回出場※2020年はコロナ禍の影響で中止)になります。成功した年もあれば、失敗した年もありましたが、糧になっています」
新チームがスタートしてからも選手たちに口酸っぱく言っているのは、疲労を蓄積させないこと。ハードスケジュールの中でもパフォーマンスを最大限に発揮するためには何をすべきなのか。2月の合宿ではインターハイ、高校選手権の連戦をイメージさせ、疲労を抜く習慣をつけるように指導していました。
「疲労は明確な数字で見えません。疲労の抜き方には正解もありません。いざ大会本番で、いきなりできるものではないです。日頃から選手自身で考えて、実践するように言っています。食事、睡眠はもちろん、積極的にリカバリープロテインなどの疲労回復のサプリメントも摂らせています」
全国高校選手権優勝の背景には、徹底したコンディション管理もありました。綿密な計画を立て、万全の状態で臨むための用意をしていたのです。12月10日、プレミアリーグのファイナルを終えると、疲労を少しずつ抜くことに努めました。急に休めば、コンディションを戻すまでに時間がかかります。高校選手権の初戦に向けて、トレーニングは普段どおりに継続。最終調整のために練習の強度を落としたのは、試合の2日前でした。
「疲労を抜いた状態で12月31日の初戦を迎えられるようにトレーナーと密にコミュニケーションを取り、選手の疲労度をチェックしていました」

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