良い選手とは常にピッチに立っている選手のこと
12月31日の初戦から1月8日の決勝までは中1日の5連戦。準々決勝までの試合は40分ハーフで行われ、準決勝からは45分ハーフ。プロでは考えられない過密スケジュールです。それでも、青森山田は全試合、同じスターティングメンバーでトーナメントを戦い抜き、頂点に立ちました。勝因はチーム戦術、個人スキルの高さだけではありません。
「最も神経を使ったのは、疲労を抜くことでした。中1日の練習もほとんど疲労を回復させる作業に時間を費やしていたので。対戦相手の分析よりも、コンディションを整えること、モチベーションを上げることにフォーカスしました」(正木監督)
大会期間中は毎日、メンバー全員に入浴剤を配り、各部屋の浴槽でお湯に浸らせていました。サッカー部に貸与されていたオムロン ヘルスケアの低周波治療器も有効活用。2年生でメンバーに入っていた谷川勇獅選手は試合後、その翌日も欠かさず使用していたようです。リカバリーモードでふくらはぎ、太ももを各30分ずつケアし、効果を実感していました。
「低周波治療器を使用していなかった夏のインターハイに比べると、疲労は軽減していたと思います」(谷川選手)
走り負けない走力も、筋力トレーニングで鍛えた頑強な身体も、試合で最大限のパフォーマンスを発揮できなければ、意味をなしません。正木監督は、選手たちによく話しています。
「『良い選手とは技術的に上手い下手ではない。常にピッチに立てるプレーヤーだ』って。ケガをしない選手が最も評価されますから。リオネル・メッシ(36歳)もクリチア―ノ・ロナウド(39歳)も、あの年齢まで世界のトップレベルで活躍しているのはケガが少ないからだと思います」(正木監督)