アマチュア

ハードなトレーニングをこなすためのコンディショニング(2 ⁄ 3)

Asia University Tennis Team
Tennis

目次

選手それぞれのトレーニング&ケア計画

テニスは基本的には個人競技であり、試合中はずっと動き続ける体力を使うスポーツです。そのためにはどのようなトレーニングが必要になってくるのでしょうか。

「試合の直前にはウェイトトレーニングはせず、ランニングやコート内での動きを速くするトレーニングをします。大会の後や次の大会まで時間がある時は、ウェイトトレーニングや筋肉に負荷をかけるトレーニングが必要になると思っています」(李選手)

「テニスという競技は、3時間の試合の中で20秒間ずっと動き続けること(1ポイントあたり約20秒間のラリー)を何度も繰り返すとか、複合的にいろいろなことをやらなければいけないスポーツです。質の良いボールを打つためにはウェイトトレーニングが必要だったり、ずっと動き続けるための持久力をランニングで補ったり、素早く動くためのトレーニングも欠かせません。さまざまな動きをするために複合的なトレーニングを組み合わせることが大事だと思います」(日野選手)

そして、さまざまな動きが求められるだけに、個人ごとの資質によって注力するべきトレーニングも変わってくるのだそう。

「自分は相手のボールを粘り強く返すことが強みなので、持久力や瞬発力を上げるコートトレーニングをとても重視しています。ですが、筋力不足によって自分のショットが相手に撃ち負けてしまうシーンが多く見られることが今の課題です。コートトレーニングはもちろん、もっとウェイトトレーニングを増やしていかなければいけないと感じています」(李選手)

「自分も、どちらかと言うとねばり強く戦うプレイスタイルで、身体の柔軟性を高めたり、コートをカバーするために必要になる可動域を広げるトレーニングを重視しています。トレーニングセンターには可動域を広げるのに有効な初動負荷トレーニングの機器もあるので活用しています」(日野選手)

このように、チームでは選手それぞれが自身を分析してメニューを組み、計画的にトレーニングを行うことで着実な成果を手にしているようです。そうしたトレーニングを重ねる一方で、リカバリーケアにはどう取り組んでいるのでしょうか。

「自分は毎日欠かさず就寝前に10〜15分ほどのストレッチを行っています。それから、週に1日ある休養日に疲れが溜まっていると感じた時は、トレーナーのところに行って治療してもらっています」(李選手)

「練習が終わった直後のクールダウンは欠かせないです。また、就寝前のストレッチには45分〜1時間くらい長い時間を使って、翌日に疲れを残さないようにケアしています。自分は、大学2年生の夏から3年の春くらいにかけて肩を壊していた時期があって。その時の怪我がきっかけとなって、ケアにたくさん時間をかけるようになりました」(日野選手)

怪我の経験によって、日野選手はケアへの取り組み方だけでなく、テニスのための身体づくり全般に対する意識も変わったと語ります。

「それまでは身体を大きくすること、パワーを出すことを目標にウェイトトレーニングをやっていたんです。しかし、柔軟性を高めたり可動域を広げたりすることも一緒にやらないと身体がうまく機能しないということを怪我の経験を通して知りました。それから、最近になって思うことは、まず怪我をしない身体づくりが大事だということです。テニスは身体感覚が大事なスポーツなので、怪我で一度離脱してしまうと、またいちから練習し直さないといけない。筋力をアップするだけだと激しい運動で怪我をしてしまうので、ストレッチやチューブを使ったトレーニングで柔らかい筋肉を作り、怪我を防ぐ。そのバランスを重視するようになりました」(日野選手)

SHARE

Back