
身体の歪みにテニス肘。プレイヤーに出やすい症状とケアの方法
中学時代は加藤未唯選手らと一緒のテニススクールで練習を重ね、高校時代は京都の名門・東山高校で全国大会でもプレーしたともやんさん。高校のテニス部にはトレーナーもいたため、当時からざまざまなリカバリーケアに取り組んでいました。
「練習前後のストレッチや準備運動は重点的に行っていましたし、心拍数を計測して提出したり、食事の内容を申告して指導を受けたりもしていました。疲れを取るために効果的な食事の知識は、今も役立っていますね。なお高校生の頃は100%のオレンジジュースを毎日飲んで、練習後にツナ缶を食べていましたが、ツナ缶はあまり好きじゃないので今は食べていません(笑)」(ともやんさん)
オレンジジュースには疲労回復を早める炭水化物やクエン酸、カリウムが含まれており、元サッカー日本代表の中澤佑二さんなども愛飲していました。日々の飲み物を工夫するだけでも、疲労回復を効果的に早めることができるわけです。
『ともやんテニスch』でともやんさんと一緒に出演するMJさんは、ともやんさんの大学のテニス部の後輩。テニスコーチを仕事として以降も大会に精力的に出場し、ペアで出場した京都市の大会で優勝するなど、好成績も残しています。
「学生時代は普通に食べて寝ているだけで、リカバリーケアについては特に意識したことはありませんでした。ただ、社会人になって腰や肘を痛めて、整体やカイロプラクティックに通いだしてからは、身体の知識も身について、いろいろなことに気を使うようになりました」(MJさん)
特に腰については骨盤に明らかな歪みがあり、身体の左側にだけ慢性的な痛みが出ていたため、しっかり治療やケアに取り組んできたそう。
「最初はストレッチを中心に対処をしていましたが、なかなか痛みが消えませんでした。そのためカイロに通って先生の指導を受けながら、時間をかけて歪みを直していって、今では左側だけ痛みを感じることはなくなりました」(MJさん)
MJさんのように身体の歪みが原因で痛みが出てしまうことは、テニスをプレーする人にはよくあるケースだといいます。
「利き手でラケットを持ってボールを打つテニスは、身体の動きが左右対称ではありません。ボールを打つときは身体をひねりますし、体重が乗る足も偏りが出てくるため、どうしても歪みは出やすくなるそうです。長くプレーすれば右腕と左腕で筋肉量も変わってきますし、右利きの人は右肩が少し前に出ている人が多いですね」(MJさん)
そのためプロの選手には、「利き腕でない腕でラリーをする時間をとったり、そちらの腕を鍛える時間をとったりして、左右のバランスを維持している人も多い」(MJさん)とのこと。日々のトレーニングを工夫することでも、身体の歪みが原因の痛みや疲労は軽減可能なわけです。
またテニスをはじめとしたラケットを使うスポーツをする人は、肘に痛みが出る「テニス肘」(外側上顆炎)と呼ばれる症状も起こしやすいです。MJさんも肘の痛みが1年ほど前に出たとのこと。
参考動画:ともやんテニスch
【正しいフォームが身につく!】肘が痛い人へ原因&対策レッスン!【テニス】
「レッスンでは継続的に球出しの動作を続けることもありますし、肘への負担が大きい打球感の柔らかいボールを使うこともあります。そうした動きが習慣化すると肘は痛めやすくなると思います」(MJさん)
またテニスでは、手の力だけでボールを打つことが「手打ち」と呼ばれますが、この打ち方は腕への負担も大きくなります。
「テニスは下半身を上手に使ってラケットを振るのが基本で、体の使い方がうまい方はケガも少なくなります。一方で手で打っている感覚の人は、肘や手首、肩を痛めることが多くなる。そのため日常のレッスンでは『こういう打ち方をすると身体を痛めますよ』といったアドバイスもよく行います」(ともやんさん)
参考動画:ともやんテニスch
【神レッスン!】フォアハンドの手打ちがこの1本で劇的に改善!【テニス】
「ただ、全身の運動連鎖を使ってボールを打つのはやはり難しいです。ですので、改善はゆっくりでいいですし、最初は手打ちに近くてもボールを上手く飛ばす感覚を掴んでもらい、そこから体を使って打つ方法を徐々に教えていくようにします」(MJさん)
また、打ち方が悪くなくても身体を痛めてしまう場合もあります。
「たとえば道具との相性の悪さで腕を痛める方はいますし、テニススクールには年齢が上の方も多いので、肘や腰に痛みを抱えつつプレーしている方もいます。痛みが出てしまった方はやはりリカバリーケアが大切になるので、練習後のアイシングや、低周波治療器の使用などを勧めることが多いですね」(ともやんさん)