70代女性です。友人から「寝る前に水を飲むと、脳梗塞の予防になる」と聞いたのですが、本当なのでしょうか?

脳卒中・脳梗塞 予防・対策・生活改善
70代女性です。友人から「寝る前に水を飲むと、脳梗塞の予防になる」と聞いたのですが、本当なのでしょうか?
脱水状態にならないための水分摂取は大切ですが、水分を多く摂ることが脳梗塞の発症率を低下させたという確実なデータはありません。過剰な水分摂取は避けましょう。
体が脱水状態になると、血栓ができやすくなり、脳梗塞をおこす危険があることから、一般的に「水分を多く摂ると、血栓ができにくくなり脳梗塞の予防になる」と考えられています。とくに、早朝は脳梗塞をおこしやすい時間帯であることから、夜に水分を多く摂る人がおられます。しかし、時間帯を問わず、水分を多く摂ることが脳梗塞の発症率を低下させたという確実なデータは示されていません。

高齢者では、脳梗塞を予防しようとして水分を摂りすぎている人がたいへん多く、このことが原因で多尿や夜間頻尿に悩む人もみられます。夜間頻尿は睡眠障害につながる心配もあります。もちろん、熱中症や脱水状態にならないための水分摂取は大切ですが、適度な量・タイミング(のどが渇いたときや食事、薬の服用時、入浴後など)にとどめ、過剰な水分摂取は避けましょう。

先生のプロフィール

島本 和明先生

島本 和明 先生

日本医療大学総長
略歴
昭和46年 札幌医科大学卒業
昭和47年 札幌医科大学第二内科入局
昭和48年 東京大学医学部第三内科研究生
昭和53年 米国サウスカロライナ医科大学 留学
昭和55年 札幌医科大学第二内科講師
昭和59年 札幌医科大学第二内科助教授
平成8年 札幌医科大学第二内科教授
平成16年 札幌医科大学附属病院長
平成22年 札幌医科大学理事長・学長
平成28年 日本医療大学総長
ご専門
内科学全般、循環器、高血圧、腎臓、内分泌、糖尿病

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