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2007.05.10

vol.47 結石はどうしてできるの?

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結石はこんな病気

Vol.47 結石はどうしてできるの? 痛みを伴う病気にはいろいろありますが、胆石、すい炎、結石(尿管結石)の痛みは、「3大激痛」といわれます。
なかでも結石は昔から、「七転八倒の苦しみ」とか「想像できない痛み」と表現されるほどです。突然の激痛に、あわてて救急車を呼ぶことも少なくありません。
それほどの痛みを引き起こす結石とは、何なのでしょうか。
それは腎臓などにできるシュウ酸カルシウムやリン酸カルシウムなどのかたまりのことです(※1)。腎臓から尿管、膀胱、尿道という尿の通り道(尿路)にできるため、総称して「尿路結石」ともいいます。
結石は、腎臓にあるあいだはほとんど痛みはありません。ところが結石が腎臓から細い尿管へ移動すると(尿管結石)、突然激痛を発するようになります。 痛みの原因は、結石が尿管に詰まり、尿の圧力が高まって尿管がけいれんを起こし、神経を刺激するためと考えられています。痛みは結石のある下腹部だけでなく、腎臓に障害が起こるとわき腹や腰に激痛が走ることもあります。
また、尿がスムーズに流れなくなるため、排尿後も残尿感があったり、尿意を感じてトイレへいってもなかなか出ないといった不快な症状も重なります。結石が尿管などの壁を傷つけると、血尿が出ることもあります。
結石は、すぐに生死にかかわる病気ではありません。しかし、痛みや排尿障害、血尿などにより、仕事や家事、旅行などに支障をきたしかねません。とくに痛みがいつ起こるかわからないので、日常生活でも常に不安を抱えることになります。
それだけに日ごろからできるだけ結石ができないように注意し、また結石ができてしまった場合も、痛みなどの再発を防ぐ生活を心がけることが大切です。

(※1)結石の約80%はシュウ酸カルシウム、リン酸カルシウムなどのカルシウム結石です。そのほかリン酸マグネシウムアンモニウム結石や尿酸結石などがあります。

結石はなぜできるのか

結石は従来、中年以降の男性に多くみられました。ところが最近は若年化が進み、女性にも増えています。その背景には食生活の洋風化、とくに肉類など動物性タンパク質の摂取量の増加が指摘されています。
動物性タンパク質の摂取が、どのように結石と関係しているのか…代表的なシュウ酸カルシウム結石を例にして説明しましょう。
私たちが肉類などを多く食べると、シュウ酸や尿酸などの物質が体内に増えます。このうちのシュウ酸には、カルシウムと結合しやすい性質があります。シュウ酸は腸のなかでカルシウムと結びつくと、便と一緒にからだの外に排泄されます。
ところがシュウ酸の量が多いと、あまった分は尿のなかに出てきます。尿のなかでシュウ酸がカルシウムと結合すると、石のようなかたまりとなって排泄されにくくなり、腎臓に障害を及ぼしたり、尿管を詰まらせることになるのです。
こうした結石の仕組みからわかるように、肉類などの動物性タンパク質を多くとると、体内にシュウ酸などが増え、それだけ結石のリスクを高めることになります。
また、多くの結石にカルシウムが関係していることから、従来はカルシウムのとりすぎが原因のひとつとされました。しかしその後の研究などから、むしろカルシウムを積極的にとることが必要だとされています。それは腸内でシュウ酸と結びつくカルシウムを増やすことで、便として排泄しやすくするためです。
日本人の食生活では、一般に動物性タンパク質の摂取量が増えているのに対し、カルシウムは必要とされる摂取量に足りていません(※2)。このことが結石を増やす大きな要因となっています。

痛みのない結石もある

尿管結石は激痛があるのに対し、腎臓では結石の痛みはほとんどありません。そのため気付かないうちに結石が大きくなり、サンゴのように肥大化することがあります(サンゴ状結石)。また膀胱の結石の場合も、痛みがあまりみられません。
こうした腎臓結石や膀胱結石は、超音波やX線による検査で発見されることが少なくありません。ただし、自覚症状がまったくないわけではなく、結石が大きくなると腎臓障害が起こるため、尿がすっきり出ない感じがしたり、残尿感がみられたり、血尿が出ることがあります。
同様の症状は加齢や前立腺肥大症などによっても起こりますが、いずれにせよ尿の状態がちょっとおかしいなと思ったら、一度泌尿器科を受診するようにしましょう。

食生活と運動で予防する

結石の予防や症状の改善は、食生活と運動が基本となります。

<こんな食事の工夫を>

食生活の基本として、シュウ酸などを増やす肉類などの動物性タンパク質の量を少し控え、野菜類を多くした和食中心のメニューを取り入れるようにします。
また、カルシウムを多くとるようにします。カルシウムは牛乳などの乳製品や小魚に多く含まれていますが、大豆などの豆類や緑黄色野菜にも豊富です。牛乳が苦手という男性も少なくありませんが、その場合には煮豆、豆腐、納豆、ピーマン、ニンジン、カボチャなどを積極的にとるようにします。
野菜のなかで注意したいのは、ホウレンソウです。シュウ酸が多く含まれているので、食べすぎないことが大切です。ゆでてお浸しにするとシュウ酸が水に溶け出し、摂取量を抑えられるのでおすすめです。(※3)。
ビタミンCは、体内で代謝されてシュウ酸をつくります。抗酸化作用のある大切な栄養素なので、適度の摂取は必要ですが、結石ができやすい人はサプリメントや飲み物などで大量にとらないようにしましょう。
また水分不足になると、尿の濃度が高まり、結石を起こしやすくなります。小さな結石なら尿と一緒に排泄されることも多いので、水分を多めにとることも予防につながります。
ただし、水分補給は大切ですが、紅茶やコーヒーにはシュウ酸が多く含まれています。暑い時期にはペットボトルなどで大量摂取する人も増えているので、注意が必要です。

<運動のコツは>

食事の改善や水分補給と合わせて、軽めの運動をすると、結石が砕けて自然に排泄されやすくなります。
とくに縄跳び、ウォーキング、軽めのジョギングなど、からだを適度に上下に動かす運動が効果的とされています。駅や会社でもできるだけ階段(とくに下り階段)を利用するなど、上下運動の機会をつくりましょう。

(※3)野菜類ではホウレンソウのほかに、タケノコにもシュウ酸が多く含まれています。いずれもアクの成分で、ゆでると溶け出します。健康な人の場合は、通常の食生活では問題ありませんが、すでに結石がある人はあまり多くとらないようにしてください。

結石の手術

病院では薬物治療(鎮痛薬や利尿薬)のほかに、結石がなかなか出ない場合には、からだの外側から衝撃波を与えて結石を砕く方法や、尿道から内視鏡を入れて超音波などで結石を砕く方法がとられます。手術方法は結石の位置などによっても異なるので、医師からよく話を聞くようにしましょう。こうした手術はあくまでも結石を砕くものなので、その後も水分補給などに気を付け、砕けた結石を体外に出す努力が必要です。また結石は再発しやすいので、食事や運動によって予防することも忘れないようにしましょう。


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