脳卒中で倒れた人は動かしてはいけないといいますが、どのように対処すればいいですか?

脳卒中・脳梗塞 予防・対策・生活改善
脳卒中で倒れた人は動かしてはいけないといいますが、どのように対処すればいいですか?
とにかくすぐに救急車を呼びましょう。発症から3時間以内に初期治療をすることが重要です。救急車が来るまでの間にも、周りの人ができることがあります。
「脳卒中で倒れた人は動かしてはいけない」というのは、古い常識です。正しい対処法は、「倒れた人を安全な場所に移動させ、気道確保などの処置をして救急車を呼ぶ」ことです。

意識を失って倒れた場合はもちろん、ろれつが回らなくなった、激しい頭痛がある、吐き気や嘔吐がある、ひどくめまいがするなどの脳卒中だと思われる症状が現れた人がいたら、まずは衣服を緩め、横向きに寝かせます。左右どちらかの半身に麻痺がある場合は、麻痺のある側を上にしてください。横向きに寝かせるのは、吐いたものが気管に入るのを防ぐため、舌が下がって喉をふさぐのを防ぐためです。
症状が現れたのが浴室やトイレなど狭い場所の場合、救急隊員が処置をしやすく、また救急車に運び入れやすい場所に患者さんを動かしましょう。その場合、患者さんを歩かせてはいけません。布団や毛布に載せて静かに動かしてください。意識のあるなしにかかわらず、患者を揺さぶったりして頭をむやみに動かすのは禁物です。特に頭を前に倒してはいけません。

脳卒中が起きたときの症状は人によってさまざまです。先ほどの症状の他に、片目が見えなくなったり、視野の半分が欠けたり、けいれんを起こすこともあります。一般に脳卒中の特徴は、体の片側だけに症状が現れることです。周りの人に脳卒中と思われる症状が出たら、一刻も早く医療機関を受診させるようにしましょう。

先生のプロフィール

島本 和明先生

島本 和明 先生

日本医療大学総長
略歴
昭和46年 札幌医科大学卒業
昭和47年 札幌医科大学第二内科入局
昭和48年 東京大学医学部第三内科研究生
昭和53年 米国サウスカロライナ医科大学 留学
昭和55年 札幌医科大学第二内科講師
昭和59年 札幌医科大学第二内科助教授
平成8年 札幌医科大学第二内科教授
平成16年 札幌医科大学附属病院長
平成22年 札幌医科大学理事長・学長
平成28年 日本医療大学総長
ご専門
内科学全般、循環器、高血圧、腎臓、内分泌、糖尿病

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