まずは基礎体温。基礎体温をつけて毎日チェック
女の人の場合、女性ホルモンの影響で基礎体温が微妙に変化します。 月経周期が安定している人であれば、基礎体温を記録しているうちに、「もうすぐ低温相になりそう」とか、「明日排卵しそう」と、予測がつきやすくなるでしょう。
「基礎体温のグラフが、おおまかに低温期と高温期の二相性を描いていれば、正常な基礎体温といえます。とりあえず排卵があり、女性ホルモンが正常に働いていると考えていいでしょう」(中村はるね先生)。 ただし、基礎体温が正常で生理があっても、40代以降では無排卵の周期が増えていきます。また、二相に分かれない場合、無排卵やホルモン異常などが考えられます。赤ちゃんが欲しい人は、早めに婦人科を受診して、体の状態を確認しておくとよいでしょう。
月経期が28日より長い人の場合は、その分低温相がながくなりますが高温期は約12〜14日間で変わりません。
排卵が起こるのは、低温相から高温相に移るとき。
基礎体温が上昇し始める3日間ぐらいの間に排卵が起こることが多いようです。あるいは、下がった時点やその直前に排卵が起こる場合もあり、個人差があります。
高温期に移行するときに、体温がガクンと落ちる時があり(堕落期)、排卵の目安になります。ただし、人によって堕落期がないまま高温相に移行することがあるので、気にしすぎないで。
排卵日(妊娠しやすい日)のつかみ方
「精子も卵子も、それぞれ生存期間はあるので、その幅の中でセックスをして、精子が卵子までたどり着けば受精が可能です。
基礎体温がガクンと下がる前日あたりから、下がって2~3日ぐらいまでに排卵が起こると考えると……。
体温がガクンと下がる前日、そしてその後1日おきに性交するとよいでしょう」(中村はるね先生)。
- 精子の寿命は2日~数日
- 排卵日の前日に性交しても受精可能です。
しかしこれも個人差があります。
- 卵子の寿命は12~36時間
-
個人差があり、老化卵は寿命が短くなります。
卵子も鮮度が大切で、卵管膨大部に移動したときに、すでに精子が待っている状態がいいという考え方もあるようです。
ほかにもある!妊娠のタイミングを知る方法
- おりものでチェック
- 排卵が近づくと、精子が子宮に入りやすくなるように、頚管粘液が盛んに分泌されます。 この時期の頚管粘液(おりもの)は、粘り気があり、指にとってのばすとよく伸びます。
- 市販の排卵検査薬でチェック
- 排卵が近づくと、尿中に(黄体形成ホルモン)が大量に分泌される(LHサージ)ことから、 尿中のLH濃度を測定することで排卵日を予測します。
- 医師によるタイミング指導
- 超音波検査で卵胞の大きさを観察したり、ホルモン値などを測定したりと、いろいろな角度から排卵日を予測します。 医師から「明日、夫婦生活をしてくださいね」という指示があります。
- 婦人科を受診、検査しておこう
- 子宮がんの検査、卵巣や子宮のチェック、血液検査や性病の検査などをしておきましょう。 というのも、子宮内膜症などの病気をそのままにしておくと、将来、不妊の原因になることがあるから。 「実際、治療に時間がかかり、治ったときには妊娠が厳しい年齢になっているケースも少なくありません。 不妊治療を受けても、年齢の壁はなんともし難いのが現状です。35歳になったら、1日でも早く受診すること。 また、性行為のある女性は、毎年誕生日ごとに、婦人科を受診することを習慣にしてほしいですね」(中村はるね先生)。
赤ちゃんができやすい生活にシフト
「人間の生殖器はとても敏感。普段の生活が大きく影響します」と中村先生。赤ちゃんが欲しいカップルは、生活の見直しを今すぐ始めましょう。
- バランスの良い食生活
-
「乱れた食生活や無理な食事制限によるダイエットを続けた結果、ホルモンバランスを崩してしまったり、生理がとまったり。
その結果、排卵がうまくいかなくなることも」(中村はるね先生)。
将来、赤ちゃんを授かったときのためにも、バランスの良い食事を心がけましょう。妊娠パワーをくれるのはこんな食べ物
- ・血液をサラサラにするたまねぎ
- ・体を温めて血液の循環をよくする食材、にら、にんにく、とうがらし、しょうがなど
- ・1日30品目、日本食がおすすめ
- ・オクラや納豆などのネバネバ食材・豆類
- ・青い野菜をたっぷりとろう。ヘルシーな蒸し料理がおすすめ
- ・体を若々しく保つ「ビタミンE」、男性ホルモンの合成に大切な「亜鉛」のほか、 「葉酸」、「カルシウム」、「鉄分」なども積極的に摂りたい栄養素
- やせすぎも太り過ぎもダメ
-
基礎体温同様、体重を毎日計測し、日記代わりに記録するのがおすすめ。
やせすぎも、太り過ぎも、排卵障害が起こりやすくなります。特に、BMI30以上の肥満は、ホルモンバランスを崩し、無月経や卵子の質が低下する原因になります。やせすぎ(BMI17.6未満)も問題。適正体重を心がけましょう。
- たばこはやめよう
- 男の人の場合は精子の数や運動性に、女の人の場合は卵巣内の卵子に悪影響を及ぼします。 妊娠できたとしても、タバコは赤ちゃんにとってもよくありません。
- アルコールはほどほどに
- 適度に飲む分には、血行を良くするなどメリットも。しかし、飲み過ぎると精子の状態を悪くすることがあります。ほどほどに。
- リラックス
-
「強いストレスは、排卵障害や生理不順を引き起こし、不妊の原因になります」と中村先生。
ストレスを上手に解消する時間、リラックスできる時間を意識してつくりましょう。
- 適度な運動
-
適度な運動は、肥満防止になるほか、全身の血行をよくして、体のコンディションを整えることにつながります。
それが「しいては、生殖機能にもよい影響を与えます」(中村はるね先生)。
夫婦ふたりでウォーキングやジョギングを楽しむのも、よいのでは?