プロ・実業団アスリート

ケアで競技人生が変わる(1 ⁄ 3)

Aya Watanabe
Others

目次

パリ・オリンピック予選のワールドカップバレーを戦った女子日本代表でも、Vリーグの日立Astemoリヴァーレでも、チーム最年長プレーヤーとして活躍。今年4月に32歳を迎えた渡邊彩選手は、年齢を重ねるたびにパフォーマンスは向上していると言います。なぜ、スポットライトの当たるコートで、輝き続けることができるのか。本人にその理由を聞きました。

疲労の蓄積がケガにつながった

V1リーグの開幕前、今シーズンの意気込みについて聞かれると、日立Astemoリヴァーレの渡邊選手は、迷いなく答えました。
「ケガなく成長できるシーズン」
チームが目指すVリーグのファイナルステージ進出(6位以内)も、個人として狙う日本代表入りも、「まずは身体ありき」。短い言葉には、実感がこもっていました。昨シーズンは開幕直前に右足首を捻挫し、まさかの長期離脱。実業団13シーズン目にして、初めての経験でした。コートの外から眺める景色は新鮮で気づくこともありましたが、プレーできないもどかしさを覚えました。
「鍛錬期に頑張ってきたのに大事な試合前にケガをしてしまうと、こういう気持ちになるのかと痛感しました」
あれから1年。いまあらためて振り返れば、故障した要因が頭に浮かんできます。チームにミドルブロッカーは2人のみ。代えの利かない存在として、ずっと試合に出続けていました。昨季は日本代表にも選出されていなかったため、チームの活動がメイン。シーズン前の夏合宿でも、追い込んでいました。リーグ開幕を直前に控えた10月のある日の練習試合でした。得意とするブロードの着地に失敗。右足首を内側にひねった瞬間、激痛が走りました。これまでの選手生活で一度もなかったことです。
「やっぱり、疲労が蓄積していたんでしょうね。結構、身体の疲れは感じていたんです」

SHARE

Back