プロ・実業団アスリート

ケアで競技人生が変わる(3 ⁄ 3)

Aya Watanabe
Others

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40歳まで現役でプレーする!?

人間の身体は正直です。年齢を重ねるたびに、疲労が抜けにくくなってきます。たとえ、トップアスリートであっても、加齢による身体の変化は感じているようです。だからこそ、準備もリカバリーケアも怠らないと言います。周囲からベテランと呼ばれるようになった渡邊選手は睡眠時間、食事にも気を配っています。
「若い頃は少々寝なくても、次の日も動けましたし、暴食しても胃がもたれなかったのですが、いまは違います(笑)。エクササイズにも時間をかけますし、年々、準備とケアの質も高くなっています。だから、パフォーマンスも上がっているのかなと。自分の中ではキャリアを通して、『いまが一番良い』と思っています」
ただ、昔を振り返れば、思わず苦笑することもあります。古川学園高校時代は、自分の身体とは向き合えていませんでした。バレーボールには真剣に取り組んでいたものの、ウエイトトレーニングなどは嫌いだった。リカバリーケアなどの意識も低かったと言います。
「あのときの自分に言ってやりたいです。『もっと、ちゃんとやれよ』って(笑)。だからこそ、いまの若い選手たちには伝えたいです。若いときからコンディショニングを整える意識を高く持って、取り組めば、その後の競技人生もきっと変わってきます。年齢が高くなったから取り組むのではなく、今できることは今やった方がいいです」
渡邊選手の現役生活も、まだまだ終わりは見えません。パリ・オリンピック出場の可能性も残されており、自身初の大舞台に向けて、コンディション維持に余念がありません。どん欲なベテランは、さらにその先まで見据えています。
「Vリーグの最年長記録を更新したいなって。調べてみると、(元日本代表の)多治見麻子さんが39歳11カ月で現役を引退しているんですね」
すると、楽しそうに自分に問いかけていました。
「私、40歳まで現役を続ける?」
円熟期を迎えるのは、これからかもしれません。衰えを知らない渡邊選手は、今まで以上に準備とリカバリーケアに気を使っていくつもりです。

<団体紹介>

日立Astemoリヴァーレ

1980年11月21日に日立佐和女子バレーボール部(当時)として発足。現在まで、黒鷲旗全日本選抜大会で準優勝3回、天皇杯・皇后杯で準優勝2回、V1リーグ準優勝1回。初優勝に向けチーム一丸となり活動している。

公式ホームページ:https://www.hitachiastemo.com/jp/rivale/

渡邊 彩さん

ポジション:ミドルブロッカー
生年月日:1991年4月23日
身長:176cm

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