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生涯走り続けたいからケアは怠らない(1 ⁄ 3)

Ruy Ueda
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自然の登山道、林道、砂利道など未舗装路を走るトレイルランニング。プロのトレイルランナーとして世界の第一線で活躍する上田瑠偉選手は、レース後や練習後にどのようなリカバリーケアを行っているのでしょうか。一般の市民ランナーも参考にできるケア方法を本人に聞きました。

トレイルランニングの魅力

2019年にトレイルランニングの国際大会でアジア人初の年間王者に輝いた上田選手が、競技を始めたのはいまから約11年前。早稲田大学の陸上サークルに所属していた19歳のときです。陸上経験者であっても、ロードを走るランニングとの違いに驚きました。山岳コースには多くのアップダウンがあり、一定のラップを刻んでいく長距離レースとはペース配分がまったく異なったのです。途中で歩くことも珍しくなく、走っている途中に木の根っこや岩も飛び越えることもあります。
「すごく新鮮で楽しかったんですよ。ランニングって、こんなに自由なんだって」
高校時代は駅伝の名門、佐久長聖(長野)でひたすら走り続け、シンスプリント(脛骨の周りにある骨膜が炎症を起こすスポーツ障害)、腸脛靭帯炎など故障を繰り返していました。焦って競技に復帰し、また離脱。精神的に追い込まれることもあったようです。もう同じことを繰り返したくはなかったと言います。箱根駅伝でも優勝経験を持つ早稲田大ですが体育会の競走部に所属せず、サークルで自分のペースで走っていました。そこで新たに出合ったのが、トレイルランニングだったのです。
山岳を走り始めた頃のことは、いまでもよく覚えています。楽しみながらも過酷なレースのあとに、カラダが悲鳴を上げることもありました。陸上の長距離走で下半身は鍛えていましたが、思わぬところに疲労が蓄積していたのです。
「上半身の筋肉痛がひどくて。背中周り、首周り、そして肩も痛くなりました。トレイルランの特性として、くねくねした道を走るので、バランス感覚を求められるんです。慣れるまでに3年、4年はかかりましたね」
市民ランナーを含め、トレイルランニングで気をつけたいのはアップダウンの衝撃。足首、膝の関節には負担がかかりやすくなるため、リカバリーケアは欠かせません。

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