アマチュア

「高校年代からフィジカル強化を充実させなければ世界から大きな遅れをとってしまう」(1 ⁄ 3)

Aomori Yamada High School Soccer Club
Soccer

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昨年度、高校サッカー史上2校目となる全国3冠を成し遂げた青森山田高校。全国高校サッカー選手権では初優勝を果たした2016年度以降、決勝に5度進出し、3度の優勝を飾っています。就任28年目の黒田剛監督が目指す『すべてにおいて相手を上回るサッカー』の一環として近年では、フィジカルの強化とコンディショニングに力を入れていると言います。圧倒的な強さの元となる取り組みについて、指揮官に詳しく聞きました。

「試合翌日はリカバリーと筋トレを実施する」

青森山田高校の選手たちを見ると、気づくことがあります。ピッチでの堂々とした立ち姿は、自信の表れだけではありません。鍛えられた身体はユニホームを着ていても、すぐに分かります。試合の中で身体のぶつかり合いになれば、簡単に負けることはありません。今では当たり前のようにたくましい選手たちがそろっていますが、かつては違っていたと言います。
「昔はフィジカルの争いで、勝てないこともよくありました。フィジカルに自信のない選手が自陣のペナルティーエリア内で相手を倒してしまい、PKを取られたことも数回あったかな。ぎりぎりの勝負になると、やはり身体の弱さが勝負に影響してきます」
2011年から高校年代の最高峰である高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグに参入したものの、Jリーグの下部組織に思うように勝てない時期が続きました。まだインターハイの一度しか全国制覇を成し遂げていなかった時代の話です。8年ほど前のある日、黒田監督は試合会場で全国屈指の強豪として名を馳せる東福岡高校の選手たちを間近で見て、身体の大きさにがく然としました。
「うちの選手と並んだときに、体の大きさが全然違ったんですよ。こんなに差があるのかって」
その場で東福岡を率いる志波芳則総監督の話を聞き、自らの強化に対する甘さを痛感したと言います。史上初めて全国3冠を達成した西の名門は、地道に「体づくり」と向き合っていたのです。東福岡では高校入学と同時に身体を鍛え始めます。また疲労が溜まっている試合翌日でも筋力トレーニングをルーティンとして取り入れていました。
「当時、青森山田の場合、試合翌日は疲労回復だけに力を注ぎ、ストレッチなどのリカバリーメニューで終わっていました。一方、東福岡は疲労を抜きながら、身体も鍛えていたんです。うちもそれ以来、プレミアリーグの試合翌日から『体づくり』をするようにしました」

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