わたしたちの挑戦

リスク予測AIの開発

家庭計測データを生かした「予防」への挑戦

人々が、社会が本当に望む「健康」とは何か?
それは自分自身、家族や友人が病に悩むことなく、安心して毎日を送れることではないでしょうか。
「脳・心血管疾患の発症(イベント)ゼロ」の実現を目指すオムロンヘルスケアは、家庭計測データを生かして、脳・心血管疾患の発症の「予防」に挑戦します。

AI(人工知能)技術が生み出す、家庭計測データの新たな可能性

家庭で計測した血圧などのバイタルデータを、AI技術を使って健康管理に生かし、普段の生活の中で病気の発症を防ぐ。
オムロン ヘルスケアは京都大学とタッグを組み、2021年6月1日に共同研究「健康医療AI講座」を設置、これまでにないヘルスケアAIの開発をスタートしました。目指すのは、高血圧患者の血圧コントロールの向上や脳・心血管疾患の予防に役立つAI技術です。

本講座では、「家庭計測データを生かし、普段の生活の中で重篤な病気の発症を未然に防ぐ」という新たな課題を視野に入れ、2つのテーマにフォーカスして研究を進めます。

メディア発表会の様子
右:京都大学 大学院医学研究科 人間健康科学系専攻 教授 奥野 恭史
左:オムロン ヘルスケア(株) 開発統轄本部 技術開発統轄部 統轄部長 濱口 剛宏

研究テーマ1
個別最適化された血圧管理法の創出
「パーソナライズ血圧改善AI開発」
~より効果的なアプローチで、血圧のより良いコントロールを

『高血圧治療ガイドライン2019』によると、高血圧治療を受けている人のうちコントロール不良は約3割。

そこで本講座では、家庭で計測された血圧などのバイタルデータと、喫煙、飲酒などの生活習慣データから、個別最適化された血圧管理法を導き出すAI技術の開発に挑みます。
血圧は24時間、常に変動していますが、その変動要因は食事、運動、睡眠、ストレス、気温など多岐にわたり、人によって傾向も異なります。オムロン ヘルスケアでは日中いつでも血圧を測定できるウエアラブル血圧計や夜間血圧計を提供しています。これらのデバイスを用いて1日の血圧の変動を捉えるとともに、AIを用いて血圧変動の要因を紐解くことにより、一人ひとりに合わせた服薬や生活習慣改善のプランを導き出します。個人に最適な方法で血圧をコントロールできるようになれば、患者さんの治療意欲の向上や医師の負担軽減にも役立つことが期待できます。

研究テーマ2
家庭計測データに基づく脳・心血管疾患の早期発見
「イベント予兆の検知AI開発」

血圧値を適正にコントロールしていても脳・心血管疾患を発症するケースがあり、日々の生活の中でイベントを早期発見することは大きな健康課題となっています。血圧をコントロールするだけでは、イベントはゼロにならない――。そこで本講座では、毎日家庭で計測された血圧や心電などのデータから、脳・心血管疾患の発症の予兆を捉えるAI技術の開発に挑戦します。

良好な血圧コントロールの下、安心・健康な毎日を

目指すのは、高血圧の患者さんが家庭で計測したデータを活用して、個別最適化された医療をタイムリーに受けられる環境をつくること。そして、良好な血圧コントロールのもと、脳・心血管疾患発症の不安のない、健康な毎日を送れるようにすること。診療サービスを進化させることで、医療従事者の負担軽減といった社会的課題の解決にも取り組んでいきます。

共同発表会の様子