わたしたちの挑戦

日中高血圧が抱える健康課題を解決するために開発した、ウェアラブルタイプの血圧計

いつでも、どこでも血圧測定。
日中高血圧を捉えて、血圧管理の最適化に挑戦。
医療機器認証を取得したウェアラブル血圧計「HeartGuide®」の誕生

日中の血圧変動を捉える

家庭血圧に関する様々な臨床研究が増える中、「血圧は常に変動しており、日中の大きな血圧変動は脳・心血管疾患の発症リスクがある」ということがわかってきました。
しかし、家庭用血圧計の普及によって測定頻度が増えたとはいえ、従来の血圧計を一日中持ち歩き、気になった時にすぐに測定することは困難です。

腕時計×血圧計

腕時計のように日常的に装着できるウェアラブルタイプの血圧計があれば、さまざまなシーンで血圧を測定できる。環境やストレス状態によって変化する自分の血圧を把握し、イベント予防のための生活習慣の改善や治療を始められると考えました。
日中高血圧を捉えるためのウェアラブル血圧計。オムロン ヘルスケアの新たな挑戦が、また1つ始まりました。

本体容積1/3 への挑戦。

医療機器精度のウェアラブル血圧計を開発するためには、測定精度、測定原理はもちろん、すべての部品において小型化が必要でした。従来の血圧計は、カフ(腕帯)と、ポンプ・圧力センサ・弁で構成される本体でできています。ウェアラブル血圧計を開発するためには、これら全てのパーツの小型化を実現しました。

カフ幅1/2 を実現した技術革新

血圧測定に不可欠なカフ(血圧計の膨らむ部分の空気袋)の改良に取り組みました。しっかり動脈を押しつぶすし正しく測定するためには、従来の血圧計で採用している52㎜のカフ幅が必要でした。しかし、ウェアラブルタイプにするには、半分以下のカフ幅まで縮小しなければいけません。

日中血圧変動の可視化でわかること

米国でウェアラブル血圧計を用いた実証実験を行った結果、従来型の血圧計と比べて、ウェアラブル血圧計で測定した場合は、測定回数および測定継続日数ともに増えることがわかりました。

さらに、社員30名を対象にモニター調査を実施したところ、日中の血圧変動パターンが、人によって様々であることが確認できました。また、時間帯や、曜日によっても血圧変動に差があることもわかりました。これらの結果から、日々の測定頻度を増やすことで、より詳しく血圧変動の状態を把握でき、個人に最適な血圧管理へとつながると考えました。

*ウェアラブル血圧計を用いてオムロンヘルスケア社員30名を対象に調査(2020年)

今なお続く「24時間常時モニタリング」に向けた挑戦

この腕時計型のウェアラブル血圧計は、FDA(米国食品医薬品局)の医療機器認証を取得。その後は日本・欧州でも医療機器認証を受け、発売しています。

そして、いま、さらなる小型化と血圧の24時間常時モニタリングの実現に向けた新たなチャレンジが始まっています。さらに、心電、睡眠、活動量など、さまざまなデータと血圧の関係を用いて、脳・心血管疾患の発症リスクを予測する、または小さくする方法に向けた臨床研究も始まっています。

ゼロイベント実現のためには、時にこれまでの常識にとらわれない発想も必要です。
オムロンヘルスケアは、イノベーションへの取り組みを止めることなく、更なる挑戦を続けます。