食事で上手に予防する

糖尿病の予防や改善には、食事の自己管理が大きなウエートを占めています。食べすぎないことはもちろんですが、血糖値を上げない食事の方法などを知っておきましょう。

間食をしない

間食をすると血糖値の高い状態が続き、インスリンを分泌するすい臓に大きな負担がかかります。また、その状態のままで次の食事をすると、食後高血糖の原因にもなります。
血糖値を上手にコントロールするには、間食はできるだけしないこと。とくにケーキ類などの甘いものや果物、清涼飲料水などは、血糖値を急上昇させるのでひかえめに。

野菜や海藻などから食べる

食事のメニューには血糖値を上げやすいもの(脂肪分の多い肉類、ご飯、パンなど)と、そうでないもの(野菜、キノコ類、豆類、海藻類など)があります。野菜などから食べ始めると、血糖値の上昇がゆるやかになります。
また、野菜や豆類などで少しお腹をふくらませておくと、肉類やご飯の量を減らすこともできます。

腹八分目にする

慢性的な食べすぎは、余分なブドウ糖をつくり、糖尿病を発症させる最大の原因となります。いつもお腹いっぱいに食べないと満足できない人は、注意が必要です。とくに脂肪分の多い肉類の食べすぎは、カロリーの取りすぎにつながりやすいので、量を少しひかえるようにし、毎日続けて食べるのも避けましょう。
外食の場合、洋食類は全般にカロリーが高めなので、魚を中心とした和食の定食ものを選ぶようにします。

ゆっくり食べる

早食いは食べすぎの原因となるほか、急激な血糖値の上昇をまねき、すい臓に負担をかけます。ひと口入れたら、箸を置くクセをつけ、意識的にゆっくり食事をすることを心がけましょう。

アルコールはほどほどに

アルコールには一時的にはインスリンの働きを改善する効果がありますが、長期間飲んでいると逆にインスリンの分泌量が低下することがわかっています。また厚生労働省研究班の調査では、男性の場合、やせた人たちほどアルコールの影響が大きいという報告もみられます(※)。
いずれにせよアルコールの慢性的なとりすぎは、糖尿病の発症リスクを高めることを知っておきましょう。

BMI値が22以下のやせ型男性の場合、エタノール1日当たり23.1~46g(日本酒で1~2合相当)を摂取すると、飲まない人にくらべ糖尿病の発症リスクが2倍近くになります。また46.1g以上飲むと、リスクは約3倍になります。ただし太った人の場合も、飲酒によってリスクが減少するわけではなく、微増という結果がみられます。