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日本人の死因、要介護からみた高血圧

高血圧は寿命に影響し、要支援・要介護の原因にもなります

■高血圧の寿命への影響
高血圧は脳卒中や心筋梗塞、腎臓病などさまざまな病気のリスクとなり、死亡リスクを上昇させます。国内の約18万人を対象にした研究では、全死亡者のうちおよそ10%の死因が高血圧であると推定されています1)。また、別の国内研究では、高血圧は喫煙の次に高い割合を占める死亡原因であり、日本では年間約10万人が高血圧による脳・心血管疾患で死亡しているとされています(図1)。高血圧は平均余命を男性で2.2年、女性では2.9年縮めているとの試算もあるなど2)、日本人の死亡原因として高血圧は大きな存在であり、寿命にも影響しています。

■要支援・要介護の原因としての高血圧
また、脳卒中や心臓病は、死に至らなくても、寝たきりや手足のマヒなどの後遺症によりQOLを著しく低下させる原因にもなります。中でも脳卒中は、認知症に次いで65歳以上の要支援・要介護原因の第2位で16.6%を占めており(図2)、脳卒中と心臓病を合わせると20%を超えます。さらに、要介護度が高くなるほど、要介護の原因として脳卒中が占める割合が高くなっています。この脳卒中の最大の危険因子が高血圧なのです。
寿命やQOLに大きな影響を与える脳・心血管疾患を予防するため、その大きな原因となる高血圧の治療を行うことが大切といえます。

【図1:非感染症または外因の死亡者数への影響(2007年)】
【図2:要支援・要介護の原因】

1) Murakami Y, et al: Hypertension 51: 1483-1491, 2008
2) Turin TC, et al.: Hypertens Res 35: 954-958, 2012

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