vol.109 60代女性です。以前より身長が縮んでいることがわかり、骨粗しょう症が心配なのですが、骨粗しょう症だとどのような自覚症状がでるのでしょうか?
生活習慣病Q&A
- 60代女性です。以前より身長が縮んでいることがわかり、骨粗しょう症が心配なのですが、骨粗しょう症だとどのような自覚症状がでるのでしょうか?
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骨粗しょう症の自覚症状には身長が縮むことのほかに、背中や腰の痛みなどがあります。骨粗しょう症は、骨量(骨に含まれるカルシウムやリンなどのミネラルの量)が減少して、骨がもろくなる病気です。自覚症状としては、「身長が縮む」のほかに「背中や腰の痛み」、「背中が丸くなる」などがあります。これらの症状は、背骨が自分の重みに耐えられずに変形してしまうこと(圧迫骨折)が原因でおこります。
また、骨粗しょう症で骨がもろくなると、転倒したときに大腿骨(太ももの骨)の付け根や手首、腕の付け根などを骨折しやすくなります。こういった部位で骨折がおこると、思うように体を動かせなくなり、日常生活に支障がでてしまいます。特に、高齢者が大腿骨の付け根を骨折すると、場合によっては寝たきりにつながってしまいます。
骨粗しょう症の自覚症状は骨量が減少しはじめてから数年~数十年たって骨が弱くなったころにあらわれますので、症状がなくても定期的に検査を受けるように心がけましょう。とくに女性の場合は、閉経後に女性ホルモンの分泌が減少することにより骨量が減少します。40歳くらいから検査を受けて、骨量の変化をみていくことが勧められます。男性の場合も、50歳くらいから骨量に注意するようにしましょう。
先生のプロフィール

島本 和明 先生
日本医療大学総長
- 略歴
- 昭和46年 札幌医科大学卒業
昭和47年 札幌医科大学第二内科入局
昭和48年 東京大学医学部第三内科研究生
昭和53年 米国サウスカロライナ医科大学 留学
昭和55年 札幌医科大学第二内科講師
昭和59年 札幌医科大学第二内科助教授
平成8年 札幌医科大学第二内科教授
平成16年 札幌医科大学附属病院長
平成22年 札幌医科大学理事長・学長
平成28年 日本医療大学総長 - ご専門
- 内科学全般、循環器、高血圧、腎臓、内分泌、糖尿病