オムロン ヘルスケアの
サステナビリティ
オムロンは、地球視点で社会の持続的発展を追求していきます。
「企業は社会の公器」であるという考えのもと、企業理念の実践を通じて持続可能な社会の実現を目指します。
オムロングループの
サステナビリティに
関する取り組み
オムロンは、事業を通じてよりよい社会づくりに貢献することを使命とし、その実現に向け、企業理念を軸にした経営を実践しています。
「Science Based Targetsイニシアチブ」の
認定を取得
オムロン株式会社は2022年5月、長期ビジョン「Shaping the Future 2030(以下:SF2030)」で設定した温室効果ガス(以下GHG*1)排出量削減目標が、パリ協定における「1.5℃目標」を達成するための科学的根拠に基づいた目標と認められ、国際的なイニシアチブである「Science Based Targets イニシアチブ*2」の認定を取得しました。
- *1GHG=Greenhouse Gas (温室効果ガス)
- *2科学的根拠に基づいた温室効果ガス削減の中長期目標設定を推奨している国際的イニシアチブ
オムロン ヘルスケアのサステナビリティ活動
オムロンヘルスケアは、「脱炭素・環境負荷低減の取り組み」を軸に、「健康医療領域」や「地域社会との対話」の観点を持って、持続可能な社会の実現に貢献します。
脱炭素・環境負荷低減の取り組み
私たちは、事業活動にともなう環境負荷を把握し、環境リスクの大きさを考慮しながら、環境負荷低減に向けたさまざまな取り組みを進めています。
持続可能な社会、持続可能な企業であるために2030年に次の目標を掲げています。
- 環境負荷低減の取り組みに関連するSDGs項目
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2030年にオムロン ヘルスケアが目指す状態
自社(オフィス・工場)や製品使用によるGHG(温室効果ガス)排出量の削減目標の達成 ※FY16比
オフィス
- ・無駄のない最適な空調運用
- ・再エネ電力の調達
工場
- ・生産ラインの省エネ化
- ・太陽光発電の導入
製品
- ・製品の省エネ化
- ・給電方式の最適化
目標を達成するために、次のような取り組みを実行していきます。
- 生産ラインの集約や物流導線の見直し等の生産改善によるエネルギー生産性の向上
- 消費エネルギーの可視化による、エネルギー削減余地の把握と具体的なエネルギー消費の削減
- 太陽光発電・バイオマス発電・蓄電池等によるクリーンエネルギーの調達
- 森林づくりの支援などカーボンオフセットの活用
次のような取り組みを通じて、脱炭素・環境負荷低減を実行していきます。
従来の射出型成形機(プラスチック材料を加熱して溶かし、金型に送り込んだ後、金型ごと冷やすことで材料を成形する機械)を用いたプラスチック部品の製造では、部品本体に加え、部品を支えるための副産物としてランナーと呼ばれるプラスチックパーツも製造されてきました。ランナーは部品と切り離されて、のちに粉砕して再利用または廃棄処理されていました。
それまで、プラスチック成形において、ランナーは生産されて当たり前という考えが主流でした。しかし、ランナーにかかる工数や、環境負荷の観点から、考え方そのものを見直し、2017年から射出成形機を、コールドランナー成形から、ホットランナー成形へと入れ替えました。その結果1製品あたりのランナー総量を93%削減*1させました。
*12016年度比
これにより年間で340トン以上のプラスチックを削減*2しました。
*22016年と2020年の比較
また、本取り組みにより部品の生産時間も短縮され生産効率の向上による電力の削減にもつながりました。
当社では血圧計で使用する乾電池のバッテリーカバーの形状を統一するなど、コストや生産ロスの削減に取り組んできました。
強度などの品質を維持したまま、バッテリーカバーの内側の厚みを薄くすることで、バッテリーカバー一枚当たりの使用プラスチック量を約20%減らすことができました。このプラスチック使用削減により、年間36トンのプラスチックが削減されます。
この取り組みは、血圧計だけでなく、体温計やネブライザといった他の商品にも導入を検討していきます。
2022年6月より、国内で販売している電子体温計の一部の機種のパッケージを、プラスチック素材のブリスターパッケージから紙製に切り替えました。2023年3月には、日本国内で販売している体温計すべてを紙製に変更します。これにより、年間約95tのプラスチックの削減*1に貢献します。
従来より紙製である血圧計と体組成計に加え、2025年には国内で販売されている電動歯ブラシ、活動量計、低周波治療器の全機種のパッケージもプラスチック製から紙製に変更していきます。
今後、2024年度中に海外の体温計全機種、2025年3月までに、グローバル全製品を紙パッケージへ切り替える計画です。さらに、パッケージの小型化や、内材にも環境に配慮した素材を使うなど、プラスチックの削減、再生可能な素材への変更を進めます。
*121年度販売台数ベースで計算
健康医療領域の
取り組み
私たちは、事業を通して健康医療分野における社会的課題の解決を目指しています。事業活動を行なう従業員の健康の維持増進、女性の健康づくり支援、将来にわたるリテラシー向上に向けた教育支援活動を行っています。
- 健康医療領域の取り組みに関連するSDGs項目
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健康経営
オムロン ヘルスケアは、世界中に健康を届ける企業として、私たち自身が心身ともに健康で元気でいきいきと働くことができる企業であることを目的に「オムロングループ健康宣言」に基づき健康経営の実践に取り組んでいます。また、自らの取り組みを通じて得た知見を活かし、社会全体における健康経営の実践に貢献していくことを目指しています。
女性の健康づくり支援
オムロン ヘルスケアは、すべての女性が自分らしくいきいきとした生活が送れるよう、女性の健康課題に寄り添った商品やサービスをはじめ健康づくりを支援する活動をおこなっています。
オムロン式美人の取り組み
女性の社会進出、結婚・出産といったライフスタイルの変化や価値観の多様化に加え、月経や更年期など女性特有の体の変化という条件の両面に対応しつつ、「健康で美しくありたい」という女性たちの思いをサポートするために、「オムロン式美人プロジェクト」を2009年に立ち上げました。「ちょうどいい」をコンセプトに、一人ひとりが自分にあったペースで健やかで美しい毎日をすごすことができるような商品・サービスの開発や多くの女性の体の悩みを解決するヒントや基礎知識をウェブサイトやSNSで発信しています。
働く女性のヘルスケアメソッドセミナー
現代の女性を取り巻く環境は、妊娠・出産、子育てが中心だった昔の女性とは大きく変わっています。月経や更年期などライフステージで女性特有のカラダの変化があります。わかっているようでよくわかっていない自分自身のカラダをもっと知っていただきたいと事業を通じて得た知識を集約し、現代女性が抱えるカラダの不調のメカニズムや、ストレスとの関係、さらに切り離して考えることのできない女性ホルモンの解説など、カラダと会話し、上手に付き合うための知識アップセミナーです。
将来にわたる健康リテラシーの向上に向けて
オムロン ヘルスケアでは、世界中一人ひとりが生涯健康ですこやかな生活を実現できるよう、幅広い世代に向けた啓発活動を行っています。
教育現場で健康に対するリテラシーの向上や命の大切さ、また、働く女性の活躍を支援するために自身のココロやカラダに対する学びの機会を提供しています。
ピンディーズU-12に所属する小学生男女16名に「夢をかなえるための基礎は、カラダとココロの健康。」をテーマに健康リテラシー勉強会を行いました。勉強会では、これからむかえるカラダやココロの変化(二次性徴)、女の子は初経を迎える時期なので、月経の仕組みを解説、男女のカラダの違いをクイズ形式で学んでもらいました。勉強会後のアンケートでは、参加者全員から「授業の内容を理解した、楽しかった」という声があり、「基礎体温を知らなかったので、これを機会に考えてみようと思う」「学校でわからなかったことが、今日の勉強会でわかった」などの嬉しいコメントをいただきました。これからも子供たちの健康リテラシー向上をめざし、将来社会で活躍できるための健康をサポートする取り組みを行っていきます。
山野美容芸術短期大学2年生の生徒36名に「オムロン式美人の活動」と「女性ホルモン」をテーマに授業を行いました。オムロン式美人では、すべての女性がいつまでも健康で美しくイキイキと活躍できる社会を目指し、啓発活動を行っています。
オムロン ヘルスケアが行なっている女性の健康をサポートする取り組みと、これから社会に出て働く皆さんに知っておいて欲しい「女性ホルモンの基礎知識やライフステージにおける健康課題」について講義を行いました。終了後のアンケートでは、参加いただいた女性生徒全員から「基礎体温を測ってみたい」という声があり、「親にもすすめたい」「知っていると知らないではすごく違うと思った」など、周りにもこの授業内容を共有したいという嬉しいコメントが多くありました。
当社では、女性の健康づくりを支援しています。 女性の健康教育推進プロジェクト「かがやきスクール」は、専門の医師を高等学校に派遣して、無料で女性の健康教育に関する授業を実施する取り組みです。
全国高等学校長協会、全国商業高等学校長協会、全国高等学校長協会家庭部会、全国養護教諭連絡協議会の後援のもと、バイエル薬品株式会社が女性の健康と活躍を支援する環境づくりに寄与することを目的として、2014年より開始しました。2018年度から本取り組みに共催企業として参画しています。
全国の教育関係者が集い、「ユネスコスクールで学ぶもの、育てるものー学習指導要領、学校経営、地域社会、国際社会などとの関わりを改めて考える」ことをテーマに、パネルディスカッションや分科会(ワークショップ&研究協議)などが行われました。ユネスコスクールの教育活動の充実に焦点を当て、情報交換・実践交流が実施されました。
オムロン ヘルスケアも、学校現場を通して将来を担う子供たちへ命や健康の大切さを伝える活動をしています。
※ユネスコスクールはユネスコの理想を実現する学校です。
思春期の中学生・高校生が、「からだの成長」や「お互いを尊重し合う大切さ」を学べる教材「未来はカラダからだ!」を公益財団法人 日本学校保健会協力のもと作成しました。ぜひ授業でご活用ください。
この動画は、小学校高学年向けに命の大切さを知るとともに、身近で人が倒れる場面に遭遇した際に、自分でもできることがあるという気付きと、行動への動機づけができることを意図して制作しました。また、中学校保健体育科「障害の防止」で学習することになる応急手当の実際のうち、心肺蘇生について、児童が胸骨圧迫やAEDの使用等の一連の流れを理解することができるようにしています。
地域社会との対話
私たちは、地域イベントへの参加など、グローバルの各拠点における地域に根差した活動を通して社会との対話に取り組みます。
- 地域社会との対話に関連するSDGs項目
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当社では、人々の健康に貢献することを目的に、地域の啓発活動に積極的に参加しています。
京都市立小野小学校、京都市立宕陰小学校、京都市立花脊小学校の3校では、「体温のしくみ」について出前授業を行いました。毎日同じ時間に、同じ体の部位で計測することの大切さや正しい体温測定の方法について学ぶ機会を提供しています。また体温計の実測式と予測式の違いなど、体温計を選ぶ際に気をつけることなども紹介しています。
京都本社には、桂川にある生態系を再現したビオトープがあります。ビオトープとは、生命「バイオ:bio」と場所「トポス:topos」の合成語で生物が安定して生息できる空間のことです。自然の破壊が進む現代において、残された貴重な生物生息空間として、ビオトープの設置は重要な社会貢献活動のひとつと位置付けられています。
こちらのビオトープでは、レッドリストの絶滅危惧種Ⅱ類に指定されたメダカが繁殖し、カルガモが毎年飛来して雛鳥を育てるなど、自然生態系の維持に役立っています。
毎年、隣接する洛南小学校の生徒が訪問し、メダカの飼育と生態系の観察について郊外授業を行っています。
アメリカ心臓協会(AHA)が主催する「メトロシカゴハートウォーク」に参加しています。このイベントは、心血管分野の研究に従事している医療施設に資金を提供することを目的とした募金活動で毎年秋に3日間にわたり行われています。何千人もの参加者がシカゴ都市圏の指定されたエリアでウォーキングを楽しむイベントです。