vol.110 「高コレステロール血症」と「高脂血症」、「脂質異常症」の違いは?

生活習慣病Q&A
「高コレステロール血症」と「高脂血症」、「脂質異常症」の違いは?
似ていますが少しずつ違います。2007年から「高コレステロール血症」と「高脂血症」を総称して、「脂質異常症」と呼ぶようになりました。

「高コレステロール血症」「高脂血症」「脂質異常症」は、いずれも血液中の脂質成分が異常値になっている状態を指しています。

脂質異常症とは

まず、「脂質異常症」ですが、次の3つのうち1つでも当てはまると、脂質異常症と診断されます。

  • LDLコレステロール(悪玉コレステロール):140mg/dL以上
  • トリグリセライド(中性脂肪):150mg/dL以上
  • HDLコレステロール(善玉コレステロール):40mg/dL未満

(いずれも空腹時の血清中濃度)

これらの脂質のうち、何が異常値となっているかにより、「高コレステロール血症」または「高脂血症」に分類されます。

高コレステロール血症とは

「高コレステロール血症」とは、LDLコレステロールが140mg/dL以上の状態です。

高脂血症とは

「高脂血症」とは、「高コレステロール血症」もしくはトリグリセライドが150mg/dL以上(高トリグリセライド血症)のいずれか、または両方である状態です。

このように、「脂質異常症」とは「高コレステロール血症」と「高脂血症」を含んだ病名で、2007年から使われるようになりました。

脂質異常症の原因と対策

脂質異常症は動脈硬化を引きおこし、心筋梗塞や脳梗塞などの重大な病気につながります。脂質異常症の原因としては、家族性のものや遺伝子異常のほか、生活習慣の乱れ(過食・運動不足・喫煙)が挙げられます。また、さまざまな原因が複雑に関与していることも多いので、医師や管理栄養士とともに原因を考えながら自分にあった対策を立てていくことが大切です。

先生のプロフィール

山田 信博先生

山田 信博 先生

筑波大学学長
略歴
昭和51年 東京大学医学部医学科卒業
昭和53年 東京大学医学部附属病院 第三内科医員
昭和58年 カルフォルニア大学サンフランシスコ校留学
昭和61年 東京大学医学部第三内科助手
平成6年 東京大学医学部第三内科講師
平成7年 東京大学医学部第三内科助教授
平成10年 東京大学大学院医学系研究科糖尿病代謝内科助教授
平成11年 筑波大学臨床医学系内科(内分泌代謝)教授
平成21年 筑波大学学長
ご専門
糖尿病、内分泌、動脈硬化

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