vol.112 肥満ぎみなので減量しようと思うのですが、減量の目安はありますか?

生活習慣病Q&A
肥満ぎみなので減量しようと思うのですが、減量の目安はありますか?
日本肥満学会では、減量の目安として「体重3kg、ウエスト3cm」減らすことを「サンサン運動」として推奨しています。
体にたまる脂肪は、「内臓脂肪」と「皮下脂肪」に大きく分けられます。このうち、内臓脂肪は高血圧や糖尿病、脂質異常症の要因となったり、動脈硬化を進行させると考えられているので、まずは内臓脂肪を減らすことが重要です。内臓脂肪はたまりやすい一方、食生活や運動不足を改めると減らしやすいという性質があります。
日本肥満学会では肥満ぎみの人に対して、「体重3kg、ウエスト(へそ回り)3cm」減らすことを、「サンサン運動」として推奨しています。3kg減量してもまだ肥満の状態にある人は、体重の5%減を目標にします。これくらいの減量で内臓脂肪も減り、血圧や血糖値、血中脂質値などの改善にも効果があることがわかっています。

ただし、無理な食事制限による急激な減量は避けましょう。このような減量をすると、脂肪と一緒に筋肉も落ちて基礎代謝が低下して、リバウンドがおこりやすくなります。リバウンドを防ぐためには、筋肉を減らさないように減量していくことが大切です。基礎代謝を維持するために軽い運動もあわせて行いながら、1カ月の減量は体重の2%以内とし、ゆっくりと減量するのがよいでしょう。

先生のプロフィール

山田 信博先生

山田 信博 先生

筑波大学学長
略歴
昭和51年 東京大学医学部医学科卒業
昭和53年 東京大学医学部附属病院 第三内科医員
昭和58年 カルフォルニア大学サンフランシスコ校留学
昭和61年 東京大学医学部第三内科助手
平成6年 東京大学医学部第三内科講師
平成7年 東京大学医学部第三内科助教授
平成10年 東京大学大学院医学系研究科糖尿病代謝内科助教授
平成11年 筑波大学臨床医学系内科(内分泌代謝)教授
平成21年 筑波大学学長
ご専門
糖尿病、内分泌、動脈硬化

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