vol.119 生活習慣病にならないように運動しようと思っているのですが、なかなか時間がとれません...。

生活習慣病Q&A
生活習慣病にならないように運動しようと思っているのですが、なかなか時間がとれません...。
運動以外にも日常生活で体を動かすことを意識して、活動量を増やしましょう。
生活習慣病の予防のためには運動を継続することが大切ですが、運動する時間がとれない人や続けられない人も少なくありません。厚生労働省の「健康づくりのための運動指針2006」では、体の活動量を、運動と生活活動(運動以外の日常的な動作)の合計と捉え、運動以外にも家事などを含めた日常生活の活動量を増やして生活習慣病を予防する方法が紹介されており、参考になると思います。

この指針では、メッツとエクササイズという単位が出てきます。メッツは「身体活動の強さ」の単位で、いろいろな運動と生活活動の活動強度をメッツ数で示した一覧表「改訂版 身体活動のメッツ(METs)表」も公開されています(例:テニス 8.0メッツ、ジョギング 7.0メッツ、歩行 4.0メッツ、お風呂の掃除 3.5メッツ、掃除機をかける 3.3メッツなど)。この身体活動の強さ(メッツ)に、その活動の実施時間(時)をかけたものを「身体活動の量」とします。「身体活動の量」の単位がエクササイズです。
このメッツとエクササイズを用いて具体的な活動量の目安を示しており、健康づくりのための身体活動量の目標としては、活発な身体活動(3メッツ以上の運動・生活活動)を週23エクササイズ以上行うことを推奨しています。このうち、運動を4エクササイズ以上行うこととしていますので、例えば週にテニスを0.5時間行うとしたら(8.0メッツ×0.5時間=4エクササイズ)、加えて3.5メッツの生活活動を1日合計1時間、6日行うと1週間で合計25エクササイズとなり、23エクササイズを上回ります。

運動する時間があまりとれない人でも、日常生活でこれらの指標を意識してこまめに動く意識をもたれ、習慣的に生活活動量を増やすようにするとよいでしょう。

先生のプロフィール

山田 信博先生

山田 信博 先生

筑波大学学長
略歴
昭和51年 東京大学医学部医学科卒業
昭和53年 東京大学医学部附属病院 第三内科医員
昭和58年 カルフォルニア大学サンフランシスコ校留学
昭和61年 東京大学医学部第三内科助手
平成6年 東京大学医学部第三内科講師
平成7年 東京大学医学部第三内科助教授
平成10年 東京大学大学院医学系研究科糖尿病代謝内科助教授
平成11年 筑波大学臨床医学系内科(内分泌代謝)教授
平成21年 筑波大学学長
ご専門
糖尿病、内分泌、動脈硬化

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