vol.16 最近、運動不足のせいか体重が増え、やや太り気味なのが気になります。どのくらいから肥満ということになるのですか?

生活習慣病Q&A
最近、運動不足のせいか体重が増え、やや太り気味なのが気になります。どのくらいから肥満ということになるのですか?
標準体重をBMI(Body Mass Index)で正確に調べてみましょう。また、体重が標準的でも脂肪が多い「隠れ肥満」の可能性もあります。
肥満が気になるようであれば、外見や体重の数値だけで安心せずに、まずBMI値を調べてみましょう。
BMIとは、「体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)」で算出される体格指数のことで、肥満度を測るための国際的な指標です。医学的に最も病気が少ない数値として22を「標準」とし、18.5以下なら「やせ」、25以上を「肥満」とするものです。
肥満とは、体重の数値ではなく、体を構成するさまざまな成分のうち、脂肪組織の占める割合(体脂肪率)が正常値を超えた状態を指します。多くの場合、体脂肪が増えると体重は増えますが、必ずしも体重が重いからといって肥満というわけではありません。たとえば、年齢とともに基礎代謝が落ち、運動もしないのに体重が若いときと変わらない人、ダイエットに失敗して、そのたびに体重が逆戻りしている人などは、「隠れ肥満」の可能性があります。また、肥満にはお腹の周りに脂肪がつく「りんご型肥満(上半身肥満)」と、下半身に脂肪がつく「洋なし型肥満(下半身肥満)」の2種類があり、同じ肥満でもりんご型肥満のほうが、より病気とのかかわりが深いと考えられます。いずれにしても、肥満を放っておくことは良いことではありません。ご自身の適性体重を知り、それを保つように心がけましょう。

先生のプロフィール

山田 信博先生

山田 信博 先生

筑波大学学長
略歴
昭和51年 東京大学医学部医学科卒業
昭和53年 東京大学医学部附属病院 第三内科医員
昭和58年 カルフォルニア大学サンフランシスコ校留学
昭和61年 東京大学医学部第三内科助手
平成6年 東京大学医学部第三内科講師
平成7年 東京大学医学部第三内科助教授
平成10年 東京大学大学院医学系研究科糖尿病代謝内科助教授
平成11年 筑波大学臨床医学系内科(内分泌代謝)教授
平成21年 筑波大学学長
ご専門
糖尿病、内分泌、動脈硬化

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