vol.177 糖尿病患者は、食間の空腹を避けた方がいいのか、空腹時間があった方がいいのか、どちらがいいのでしょうか。
生活習慣病Q&A
- 糖尿病患者は、食間の空腹を避けた方がいいのか、空腹時間があった方がいいのか、どちらがいいのでしょうか。
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飲んでいる糖尿病薬の種類、肥満の程度や生活パターンによって異なります。糖尿病合併症を予防するためには、血糖コントロールの改善が大切です。最近の報告では、頻回に低血糖を起こすと、心血管リスクが高くなることが知られています。そのため、低血糖を起こさない質のよい血糖コントロールが求められています。もし、低血糖を起こす糖尿病薬(スルホニル尿素薬やインスリンなど)を処方されている人は、空腹感が低血糖のサインになっている可能性があります。中には、糖尿病薬のために低血糖気味で間食をしている人もいます。例えば、夕方に極度の空腹感が出ている場合には、血糖のチェックと薬が必要かもしれません。
肥満を伴う患者さんの中には、空腹感をあまり感じず、時間になったら、食事をしている人がいます。その場合には、1回の食事量が多すぎることもあります。その際は、1回の食事量を少し減らした方がよさそうです。肥満傾向の人は、空腹になると何かつまむ傾向があります。そこで、少し我慢すると、身体についている脂肪を使い始めます。つまり、空腹感は脂肪が燃え始めた証拠なのかもしれません。
夕食が遅くなる人は、夕方と帰宅後の2回に分けて食べるのも一法です。このように、飲んでいる糖尿病薬の種類や肥満の程度、生活パターンによって変わります。空腹は最高のスパイスとも言われています。上手に空腹感と付き合うことが大切ですね。
先生のプロフィール

坂根 直樹 先生
独立行政法人国立病院機構京都医療センター
臨床研究センター 予防医学研究室室長
臨床研究センター 予防医学研究室室長
- 略歴
- 昭和64年 自治医科大学医学部卒業
昭和64年 京都府立医科大学附属病院(第1内科)研修医
平成3年 大江町国保大江病院内科
平成5年 弥栄町国保病院内科
平成6年 京都府保健福祉部医療・国保課
平成7年 綾部市立病院(内分泌科)
平成10年 大宮町国保直営大宮診療所
平成11年 京都府立医科大学附属病院修練医(第1内科)
平成13年 神戸大学大学院医学系研究科分子疫学分野(旧衛生学)助手
平成15年 独立行政法人国立病院機構京都医療センター(旧国立京都病院)
臨床研究センター 予防医学研究室室長 - ご専門
- 糖尿病、糖尿病教育、内分泌