vol.191

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Q質問

糖尿病の治療のためにインスリンを処方されています。低血糖が怖いのですが、対処法や注意すべき点について教えてください。

A回答

日頃から低血糖が起きやすい状況を把握し、冷や汗や手足のふるえなど低血糖によくみられる自分の症状を知って、事前に対処法(15/15ルール)を考えておくとよいでしょう。
糖尿病の患者さんで、血糖コントロールのためにインスリン製剤を使われている方は、いつもより食事の量が少ない場合などに低血糖が起きる可能性があります。低血糖には大きく分けると低血糖と重症低血糖の2種類があります。インスリンを使用されている糖尿病患者さんの空腹時血糖の目標値は80~130mg/dLです。

それに対して低血糖は、血糖値が70mg/dL未満と定義されています。低血糖の症状は個人差がありますが、最初に出るのは空腹感(腹が減る)です。これは低血糖になったら早く食べなさいというサインです。実際には「低血糖かも?」と思っても実際に血糖を測定したら、血糖が70mg/dLを超えている場合もあります。血糖を測定して確認するとよいでしょう。さらに血糖が下がると、冷や汗、手足のふるえ、心臓がドキドキ(動悸)したりします。これは早く何か補食をしなさいという警告症状です。そこで、補食をしないで放置しておくと意識が遠のきます(意識消失)。これが誰かの手助けを必要とする重症低血糖です。典型的な低血糖の症状は、ハ(腹が減る)、ヒ(冷や汗が出る)、フ(手足のふるえ)、ヘ(へんにドキドキ)、ホ(放置しておくと意識がなくなる)とハ行で覚えておくとよいでしょう。

糖尿病歴の長い人では、これ以外にも動作が緩慢になるなどの行動の変化やイライラして子どもに当たるなど感情の変化が出る人もいます。「あれっ、低血糖かな?」と、警告症状の時に適切な補食をしておけば、重症低血糖になるのを防ぐことができます。低血糖になる原因として最も多いのが、普段よりも食事の量(特に、炭水化物)が少ない時です。1回に食べる炭水化物の量(60~75g)を覚えておくと、低血糖予防に役立ちます。汗をかく程度の中強度の運動を30分以上する場合には、低血糖予防のために補食を準備しておくとよいでしょう。宴会などの多量飲酒は肝臓でのアルコールの解毒の際にグリコーゲンが消費、夜間に補充されるために、飲んだ日の夜間や翌日の午前中に低血糖になりやすいと言われています。飲み過ぎた日の翌日は血糖を確認して、朝食をしっかりとった方がよいかもしれません。

低血糖が疑われた場合には、ブドウ糖や砂糖を10~15gとるのが手軽で確実に血糖を上昇させます。脂肪分を多く含むチョコでは血糖上昇はゆっくりで、あめもゆっくりなめるので血糖上昇がゆっくりとなります。ビスケット3枚、オレンジジュース150mL、バターロール1個、ご飯40gなど炭水化物を15g含む食品でも対処可能です。炭水化物15gを含む食品をとれば、15分後には血糖は50mg/dLほど上昇しているはずです。もし、血糖値が上昇していない場合にはさらに炭水化物15gを含む食品をとります。これを15/15ルールとよびます。また、もしもの時に備えて外出時には「糖尿病患者用IDカード」を携帯するのもよいでしょう。

参考:坂根直樹:Dr.坂根のクイズでわかる糖尿病カーボカウント初級編、医歯薬出版、2011年
  • このコラムは、掲載日現在の内容となります。
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