vol.199

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Q質問

糖尿病を患う高齢の親がいます。高齢者の糖尿病治療で気をつけることをまとめて教えてください。

A回答

高齢者の糖尿病では、高血糖・低血糖の症状が出づらい、腎機能・肝機能が低下している、身体機能が低下しているなど、特有の問題がいくつもあります.
高齢者には、身体機能の衰えや、特有の問題がいくつもあります。糖尿病の治療においても気をつけるべきポイントがありますので、今回は、高齢者の糖尿病の特徴や、ご家庭でのご自身・ご家族による対策をご紹介します。
 ●高齢者では、高血糖になっても高血糖症状が出にくい傾向にあります。例えば、のどの渇き(口渇)を感じにくかったり、高血糖による異常な疲れを「歳のせい」と思ってしまったりして、症状が見過ごされることがあります。このような状況に注意して、できるだけ高血糖状態にならないよう、ご家族の方も、食事・間食の内容に気を配ってあげてください。特に、高血糖や脱水による体重減少には注意が必要です。普段から、体重を測定する習慣をつけておくことが大切ですね。
 ●高齢者は、食後に高血糖になりやすい傾向があります。その対策として、食後に軽い運動を取り入れたり、食物繊維の豊富な食事をすることが勧められます。
 ●スルホニル尿素(SU)薬やインスリン注射をしている人では低血糖になるリスクが高まります。これは血糖を上げるアドレナリンというホルモンなどが出にくくなるからです。低血糖の典型的な症状は空腹感、冷や汗、ふるえ、動悸などです。ところが、高齢者ではこれらの典型的な症状が出にくくなっています。これを無自覚低血糖と言います。典型的な症状以外では、力が抜ける(脱力)、頭が回らない、集中力の低下、本や新聞がよく読めないなど作業能力の低下がみられることがあります。中には、いらいらする、そわそわする、不安な顔をする、上っ調子になるなど気分の変化が出る人もいます。おかしいなと思った時には血糖値のチェックをしてみて下さい。
 ●高齢者では、動脈硬化が元となる糖尿病の合併症が起こりやすいのですが、自覚症状がない場合も多く、いつもと違う様子がないか、注意が必要です。
 ●高齢になると腎機能や肝機能が低下している方が多く、薬剤の排泄が低下し、体内に蓄積されることから副作用が起こりやすい状態にあります。処方された薬剤は、正しい量を正しいタイミングで服用するように気をつけましょう。

その他にも、高齢者に多くみられる「老年症候群」という特徴があります。老年症候群とは、認知機能障害、サルコペニアやフレイル(ともに加齢に伴い体が弱ること)、ADL(日常生活動作)の低下、転倒、うつ、低栄養、多剤併用など、医師の診察や介護・看護を必要とする症状・徴候の総称です。また、高齢者のみの世帯あるいは独居の場合などでは、社会サポート不足、居住環境の悪化や経済的問題をきたしやすいという特徴もあります。 上記のような、高齢者特有の糖尿病の特徴に配慮し、親御さんを支えてあげてください。気になることはかかりつけ医へ相談してみましょう。

参考:高齢者糖尿病ガイドライン2017
日本老年医学会雑誌55巻1 号:1-12(2018:1)
  • このコラムは、掲載日現在の内容となります。
    掲載時のものから情報が異なることがありますので、あらかじめご了承ください。

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