vol.32 先日、高脂血症と診断されました。医師から生活習慣の改善をするよう促されましたが、自覚症状が無いため、危機感が持てません。どうすれば効果的に生活習慣を改善出来るのでしょうか。

生活習慣病Q&A
先日、高脂血症と診断されました。医師から生活習慣の改善をするよう促されましたが、自覚症状が無いため、危機感が持てません。どうすれば効果的に生活習慣を改善出来るのでしょうか。
急激な習慣の変化は長続きしません。無理なく出来ることから段階的にはじめ、定期的な通院時にその効果を確認して、モチベーションを継続させましょう。
平成11年度に総理府(現内閣府)が実施した「生活習慣病に関する世論調査」によると、高脂血症は高血圧や糖尿病など他の生活習慣病と比べ、怖い病気であるとの認識が低いようです。しかし、高脂血症は高血圧、糖尿病とともに「サイレントキラー」と呼ばれる危険な病気です。痛みなどの自覚症状はほとんど現われませんが、放置しておくと知らない間に進行し、脳梗塞や狭心症などの動脈硬化性疾患を引き起こします。また、高血圧症や糖尿病などを併発すると、正常な人に比べて脳梗塞や狭心症などにかかる危険性が何倍にもなります。自覚症状が無いからといって放置することなく、医師の診療を受けて血中の脂質をコントロールするよう努めましょう。
生活習慣の改善とその継続は高脂血症治療の原則です。医師とよく相談をした上で、食事や運動の習慣改善計画を作りましょう。その際、急激な習慣の変化は長続きしませんので、自分の今の生活習慣を把握した上で、無理なく出来ることから段階的に始めるとよいでしょう。また、定期的な血液検査で生活習慣を改善した結果を確認するのも良いかもしれません。

先生のプロフィール

山田 信博先生

山田 信博 先生

筑波大学学長
略歴
昭和51年 東京大学医学部医学科卒業
昭和53年 東京大学医学部附属病院 第三内科医員
昭和58年 カルフォルニア大学サンフランシスコ校留学
昭和61年 東京大学医学部第三内科助手
平成6年 東京大学医学部第三内科講師
平成7年 東京大学医学部第三内科助教授
平成10年 東京大学大学院医学系研究科糖尿病代謝内科助教授
平成11年 筑波大学臨床医学系内科(内分泌代謝)教授
平成21年 筑波大学学長
ご専門
糖尿病、内分泌、動脈硬化

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