vol.52 定期健康診断の結果が戻ってきましたが、見方がわかりません。どのようなポイントに注意すればよいでしょうか?

生活習慣病Q&A
定期健康診断の結果が戻ってきましたが、見方がわかりません。どのようなポイントに注意すればよいでしょうか?
定期健康診断の項目には、身体測定から造血器検査(正常な血液が造られているか調べる検査)までさまざまなものがありますが、疾患別に考えるとわかりやすいでしょう。ここでは、生活習慣病ごとにチェックする項目を説明します。

●肥満
身長と体重からBMI値〔体重(kg)÷身長(m)の2乗〕を算定し、肥満度を判定します。BMI25以上だと肥満です。肥満はあらゆる生活習慣病の原因になるので、最初にチェックしましょう。

●高脂血症
血液検査の脂質値で、LDLコレステロール値、中性脂肪(TG)が基準値より高い、HDLコレステロール値が基準値より低い場合、脂質代謝異常症です。

●高血圧症
成人の場合、外来血圧が最高血圧140mmHg/最低血圧90mmHg以上、家庭血圧が135mmHg/85mmHg以上で高血圧症です。健康診断では外来血圧を見ます。高血圧症は他の病気と合併することが多いので、他の病気に気づく手がかりにもなります。

●糖尿病
尿検査で尿中に糖が多く出ている場合や、血液検査で糖代謝の指標であるHbA1cの値が高い場合、糖尿病が疑われます。

●骨粗しょう症
40代以降に身長が2cm以上縮んでいる場合、骨粗しょう症が疑われます。

●肝障害
血液中のAST(GOT)やALT(GPT)が高いと、肝障害や心筋梗塞の恐れがあります。また、γ-GTPが高いとアルコール性肝炎の可能性があります。お酒をよく飲む人にとっては、重要なチェックポイントです。

●消化器疾患
尿中や便中に血が混ざっていた場合、消化器癌や潰瘍が疑われます。

定期健康診断で、もし異常がみつかったら決して放置せず、医師に相談しましょう。

先生のプロフィール

山田 信博先生

山田 信博 先生

筑波大学学長
略歴
昭和51年 東京大学医学部医学科卒業
昭和53年 東京大学医学部附属病院 第三内科医員
昭和58年 カルフォルニア大学サンフランシスコ校留学
昭和61年 東京大学医学部第三内科助手
平成6年 東京大学医学部第三内科講師
平成7年 東京大学医学部第三内科助教授
平成10年 東京大学大学院医学系研究科糖尿病代謝内科助教授
平成11年 筑波大学臨床医学系内科(内分泌代謝)教授
平成21年 筑波大学学長
ご専門
糖尿病、内分泌、動脈硬化

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