vol.54 脂っこい食事が大好きなのですが、将来、高脂血症や糖尿病だけでなく、がんにも気をつけるようにと注意されました。がんも生活習慣と関係しているのでしょうか?
生活習慣病Q&A
- 脂っこい食事が大好きなのですが、将来、高脂血症や糖尿病だけでなく、がんにも気をつけるようにと注意されました。がんも生活習慣と関係しているのでしょうか?
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生活習慣の乱れは、生活習慣病だけでなくがんの原因にもなりえます。喫煙習慣が肺がんの一因であることや、過度な飲酒が肝臓がんやすい臓がんの一因であることは、研究から明らかになっています。
脂っこい食事のとりすぎが関係しているのは、大腸がんです。肉食が多く、菜食が少ないという欧米型の食生活が続くと、動物性脂肪分やタンパク質の摂取が増える一方で、食物繊維の摂取が減ってしまいます。すると、便が腸内にとどまっていることが多くなり、便の中や代謝の際に発生する発がん性物質が腸壁と接する時間が長くなった結果、発がんすると考えられています。また、運動不足の場合に大腸がんになりやすいということも明らかになっています。
日本では、近年、大腸がんの罹患率が増えています。大腸がんの予防には、まずバランスの取れた食生活と適度な運動が大切です。
先生のプロフィール

山田 信博 先生
筑波大学学長
- 略歴
- 昭和51年 東京大学医学部医学科卒業
昭和53年 東京大学医学部附属病院 第三内科医員
昭和58年 カルフォルニア大学サンフランシスコ校留学
昭和61年 東京大学医学部第三内科助手
平成6年 東京大学医学部第三内科講師
平成7年 東京大学医学部第三内科助教授
平成10年 東京大学大学院医学系研究科糖尿病代謝内科助教授
平成11年 筑波大学臨床医学系内科(内分泌代謝)教授
平成21年 筑波大学学長 - ご専門
- 糖尿病、内分泌、動脈硬化