vol.64 最近、「メタボ健診」という言葉をよく聞きます。これまでの健康診断とは何が違うのでしょうか?

生活習慣病Q&A
最近、「メタボ健診」という言葉をよく聞きます。これまでの健康診断とは何が違うのでしょうか?
メタボ健診は、メタボリックシンドローム*患者または予備軍をいち早く発見・治療することを目的としており、そのような人には生活習慣の改善を促す「特定保健指導」を行う点がこれまでとの大きな違いです。

メタボ健診は正しくは「特定健康診査」のことで、40~75歳未満を対象に実施することが医療保険者(区市町村国保、健保組合等)に義務付けられています。計測項目に腹囲が加わり、腹囲が規定値(男性≧85cm、女性≧90cm)より大きい場合またはBMI≧25の場合を基本に、血糖値、脂質値、血圧値の異常と喫煙歴の中からいくつ該当するかによって低・中・高リスクに分類します。そして高リスク者には、生活習慣を改善するために、医師や保健師等による3カ月以上の継続的な指導を行い6カ月後にその成果を評価します。特定健康診査の最終的な目的は、日本の死亡原因の2、3位を占める心血管病を予防することです。近年、生活習慣病の低年齢化が進んでいるので、対象外の方も健康状態をチェックするために、年に1回は健康診断を受診しましょう。

*メタボリックシンドローム:内臓脂肪型肥満(腹囲が男性≧85cm、女性≧90cm)に加えて、高血圧、高脂血症、高血糖のうち2つ以上を合併した病態。心血管病を起こしやすい。

先生のプロフィール

山田 信博先生

山田 信博 先生

筑波大学学長
略歴
昭和51年 東京大学医学部医学科卒業
昭和53年 東京大学医学部附属病院 第三内科医員
昭和58年 カルフォルニア大学サンフランシスコ校留学
昭和61年 東京大学医学部第三内科助手
平成6年 東京大学医学部第三内科講師
平成7年 東京大学医学部第三内科助教授
平成10年 東京大学大学院医学系研究科糖尿病代謝内科助教授
平成11年 筑波大学臨床医学系内科(内分泌代謝)教授
平成21年 筑波大学学長
ご専門
糖尿病、内分泌、動脈硬化

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