vol.76 肥満にならないよう食事に気をつけています。糖質ゼロの飲み物がたくさんありますが、糖質ゼロだと太らないのでしょうか?

生活習慣病Q&A
肥満にならないよう食事に気をつけています。糖質ゼロの飲み物がたくさんありますが、糖質ゼロだと太らないのでしょうか?
糖質0=カロリー0ではありません。100mL当たり0.5g未満のものが、“糖質ゼロ”と表示されます。肥満防止のためには、糖質ゼロだけに頼らず、適度な運動と栄養バランスのとれた食事を摂るように心がけましょう。
わが国の栄養表示基準では、飲料(や液状の食品)・食品ともに糖質が100mL(100mg)当たり0.5g未満のものを「糖質ゼロ」と表示できると定めています。同様に「カロリーゼロ」というものもありますが、こちらは5kcal未満でゼロ表示が可能になっています。つまり、糖質0=カロリー0ではありません。どちらもかなり小さい値になっているものの、文字通り「ゼロ」を意味するわけではないのです。ちなみに、「無」「ノン」「レス」「フリー」も「ゼロ」と同義に使われます。また、「ライト」「ダイエット」「オフ」などの表示もあります。これらは、糖質では飲料(や液状の食品)2.5g未満、食品5g未満、カロリーでは飲料(や液状の食品)20kcal未満、食品40kcal未満の場合に表示可能となっています。
肥満防止のポイントは、摂取カロリーが消費カロリーを過度に上回らないようにすることです。糖質ゼロ、カロリーゼロといった飲み物を選ぶことで、糖質やカロリーを抑えることは可能です。しかし、これらの飲み物だけに頼るのではなく、栄養バランスのとれた食生活と適度な運動で肥満防止を心がけることをおすすめします。

先生のプロフィール

山田 信博先生

山田 信博 先生

筑波大学学長
略歴
昭和51年 東京大学医学部医学科卒業
昭和53年 東京大学医学部附属病院 第三内科医員
昭和58年 カルフォルニア大学サンフランシスコ校留学
昭和61年 東京大学医学部第三内科助手
平成6年 東京大学医学部第三内科講師
平成7年 東京大学医学部第三内科助教授
平成10年 東京大学大学院医学系研究科糖尿病代謝内科助教授
平成11年 筑波大学臨床医学系内科(内分泌代謝)教授
平成21年 筑波大学学長
ご専門
糖尿病、内分泌、動脈硬化

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