vol.8 高脂血症の治療でお薬を飲んで、総コレステロール値が200mg/dlまで下がりました。お薬を飲むのをやめても大丈夫でしょうか

生活習慣病Q&A
高脂血症の治療でお薬を飲んで、総コレステロール値が200mg/dlまで下がりました。お薬を飲むのをやめても大丈夫でしょうか
コレステロール値が下がったからといって、お薬を勝手にやめてはいけません。
風邪などの治療と違い、高脂血症の治療は、薬を飲んでコレステロール値が下がったからといって、高脂血症が治ったというわけではありません。薬をやめれば、コレステロール値はまた上がってしまいます。高脂血症が原因で起きる脳卒中や心臓病を防ぐためには、運動や食事の制限に加え、必要な場合にはお薬を使って、血液中に増えてしまうコレステロールを正常に近づけておくことが重要です。ですから、お薬でコレステロール値が下がったからといって主治医の先生の許可なく、薬を中止してはいけません。
高脂血症になると、血液中のコレステロールが増え、血管の内側に付着して血管の内径が狭くなっていきます。これが積み重なることで血管がつまり、心筋梗塞や脳卒中の原因となります。高脂血症治療において一番重要なことは、安定してコレステロールを正常な状態に保つことなのです。もちろん、運動や食事など生活習慣を見直すことによって血液中のコレステロールを減らすことは可能ですが、その効果には限りがあるので、薬の力を借りて治療することも非常に大事な方法です。また、コレステロールを一日中正常に保つためにも、高脂血症の治療薬は毎日決められた時間に飲みましょう。
もちろん、運動療法や食事療法など薬以外の治療が順調に進み、血液中のコレステロールがうまくコントロールされれば、薬を減量することもあります。お薬のことは自分で判断せずに、主治医の先生に相談しましょう。

先生のプロフィール

山田 信博先生

山田 信博 先生

筑波大学学長
略歴
昭和51年 東京大学医学部医学科卒業
昭和53年 東京大学医学部附属病院 第三内科医員
昭和58年 カルフォルニア大学サンフランシスコ校留学
昭和61年 東京大学医学部第三内科助手
平成6年 東京大学医学部第三内科講師
平成7年 東京大学医学部第三内科助教授
平成10年 東京大学大学院医学系研究科糖尿病代謝内科助教授
平成11年 筑波大学臨床医学系内科(内分泌代謝)教授
平成21年 筑波大学学長
ご専門
糖尿病、内分泌、動脈硬化

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