vol.84 現在、糖尿病で食事療法に取り組んでいますが、少量ならお酒を飲んでも大丈夫ですか?
生活習慣病Q&A
- 現在、糖尿病で食事療法に取り組んでいますが、少量ならお酒を飲んでも大丈夫ですか?
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糖尿病のコントロールが良好な場合、少量なら許可されることがあります。医師と相談のうえ、決められた量を守りましょう。お酒は、つい飲みすぎてしまったり、少量でも食欲が増すので食事量が多くなったりしてしまいます。その結果、血糖コントロールが乱れて、糖尿病の悪化、および合併症の進行を引き起こしてしまうことがあります。
しかし、血糖コントロールが良好で合併症がない、肝臓・膵臓の病気がないなどの条件を満たせば、少量のお酒が許可されることがあります。
その場合の量は、一般的に純アルコール換算で「1日25gまで」とされています。純アルコール25gに相当するお酒のおおよその量は次のとおりです。
- ビール 中ビン1本弱(400mL)
- 日本酒 0.8合(140mL)
- 焼酎 0.4~0.6合(80~100mL)
- ワイン グラス3杯(200mL)
- ウイスキー ダブル1杯(60mL)
お酒にはエネルギー(1gあたり7kcal)はありますが栄養素はほとんど含まれていないので、炭水化物、たんぱく質、脂肪などの栄養素を含む食品の代わりにはなりません。したがって、1日の摂取エネルギー量を超えないようにするためにアルコールを飲んだ分、主食を控えればよいと考えてはいけません。 飲酒を希望する場合には、必ず医師に相談し、決められた量を守りましょう。
先生のプロフィール

山田 信博 先生
筑波大学学長
- 略歴
- 昭和51年 東京大学医学部医学科卒業
昭和53年 東京大学医学部附属病院 第三内科医員
昭和58年 カルフォルニア大学サンフランシスコ校留学
昭和61年 東京大学医学部第三内科助手
平成6年 東京大学医学部第三内科講師
平成7年 東京大学医学部第三内科助教授
平成10年 東京大学大学院医学系研究科糖尿病代謝内科助教授
平成11年 筑波大学臨床医学系内科(内分泌代謝)教授
平成21年 筑波大学学長 - ご専門
- 糖尿病、内分泌、動脈硬化