vol.92 毎日の食事の中には、炭水化物、たんぱく質、ビタミンなどさまざまな成分の食品があると思いますが、「この順番で食べると生活習慣病を予防できる」という順番はありますか?

生活習慣病Q&A
毎日の食事の中には、炭水化物、たんぱく質、ビタミンなどさまざまな成分の食品があると思いますが、「この順番で食べると生活習慣病を予防できる」という順番はありますか?
あります。食事の初めに食物繊維を含む食品をよく噛んで食べると、血糖値の急激な上昇を抑えることができ、生活習慣病の予防に効果的です。
食事をすると血糖値が上がりますが、急激な血糖値の上昇は生活習慣病のリスクを高めてしまいます。食品によっては血糖値が上がりやすいものと上がりにくいものがありますので、上がりにくいものから順番に食べていくのが血糖コントロールのコツです。
基本的には食物繊維→たんぱく質→炭水化物という順番が、最も血糖値が上がりにくい順番とされています。
そこで初めは食物繊維を含む野菜や海草などを食べ、それから魚や肉といったたんぱく質、ご飯などの炭水化物を食べるといいでしょう。キャベツ、こんにゃく、タケノコ、キノコ類などは食物繊維に富む上に、低カロリーなので、一口目に食べるのに理想的な食材と言えます。また、これらをよく噛んで食べることで満腹感が得られ、その後に続く炭水化物の摂取量を抑えることもできます。
もちろん順番だけでなく、早食いにならないように注意する、1日3回規則正しく食べる(特に朝食は必ず摂る)、夜遅くの食事を控える(9時以降)、腹八分目を心がける、といったポイントも覚えておきましょう。

先生のプロフィール

山田 信博先生

山田 信博 先生

筑波大学学長
略歴
昭和51年 東京大学医学部医学科卒業
昭和53年 東京大学医学部附属病院 第三内科医員
昭和58年 カルフォルニア大学サンフランシスコ校留学
昭和61年 東京大学医学部第三内科助手
平成6年 東京大学医学部第三内科講師
平成7年 東京大学医学部第三内科助教授
平成10年 東京大学大学院医学系研究科糖尿病代謝内科助教授
平成11年 筑波大学臨床医学系内科(内分泌代謝)教授
平成21年 筑波大学学長
ご専門
糖尿病、内分泌、動脈硬化

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