vol.96 健康診断で糖尿病の疑いがあったため再度検査をしたところ、境界型糖尿病といわれました。今後、糖尿病になってしまうのでしょうか?

生活習慣病Q&A
健康診断で糖尿病の疑いがあったため再度検査をしたところ、境界型糖尿病といわれました。今後、糖尿病になってしまうのでしょうか?
境界型の人は正常型の人より糖尿病を発症する率が高いので、発症しないよう生活習慣を見直しましょう。
通常、空腹時の血糖値が126mg/dL以上、または食後の血糖値が200 mg/dL以上であれば糖尿病が疑われますが、これらの血糖検査だけでは診断できないことがあります。血糖値はストレスなどの影響で一時的に高くなることがあるからです。このような場合には「経口ブドウ糖負荷試験」という検査を行い、診断します。この試験は、大人の場合75gのブドウ糖液を飲み、ブドウ糖液を飲む前と、飲んでから30分後、1時間後、2時間後の血糖値を測定します。
試験の結果は、図に示す判定基準によって正常型、糖尿病型、境界型に分類されます。境界型の人はずっと境界型のままであることもありますし、正常型に改善することもあります。ただ、境界型の人が糖尿病を発症する割合は正常型の人より高いことがわかっています。糖尿病予備群ともいわれるのはこのためです。また、境界型の人は高血圧や脂質異常症であることが多く、その場合は狭心症、心筋梗塞などの動脈硬化性疾患のリスクが高くなります。境界型と判定されたら、糖尿病や動脈硬化性疾患を予防するために、体重増加、運動不足とならないよう生活習慣に気をつけましょう。

先生のプロフィール

山田 信博先生

山田 信博 先生

筑波大学学長
略歴
昭和51年 東京大学医学部医学科卒業
昭和53年 東京大学医学部附属病院 第三内科医員
昭和58年 カルフォルニア大学サンフランシスコ校留学
昭和61年 東京大学医学部第三内科助手
平成6年 東京大学医学部第三内科講師
平成7年 東京大学医学部第三内科助教授
平成10年 東京大学大学院医学系研究科糖尿病代謝内科助教授
平成11年 筑波大学臨床医学系内科(内分泌代謝)教授
平成21年 筑波大学学長
ご専門
糖尿病、内分泌、動脈硬化

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