vol.100 腰部脊柱管狭窄症、自己判断は禁物!

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Vol.100 腰部脊柱管狭窄症、自己判断は禁物! 高齢化によって患者数が増加している疾患は数多くあります。整形外科疾患の中で、手術数が圧倒的に増えている『腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)』もそのひとつです。
この疾患は2006年1月にキャスターのみのもんたさんが手術を受けたことで、認知度がアップしました。背骨にある神経の通り道である「脊柱管」が腰椎による加齢変性、周囲の靭帯の変性、脊椎がずれた状態になる腰椎分離・すべり症などで圧迫され、狭くなって神経に影響を及ぼす疾患で、原因や症状によって次の3タイプに分けられます。

「馬尾型」……腰部脊柱管の中央を通る馬尾神経(ばびしんけい)が圧迫されることで発症し、坐骨神経痛のような強い痛みはないものの、両脚全体がしびれて脱力感がある、脚に力が入りにくい、頻尿・残尿感、便秘などの症状が出ます。
「神経根型」……脊柱管の左右を走る神経根が圧迫されることで発症し、強い坐骨神経痛様症状(腰から足先にかけて激痛やしびれが走る)が起きます。
「混合型」……馬尾型と神経根型が同時に起きるタイプ。症状もまじり合っています。

そして、この3タイプに共通している症状が「間歇性跛行(かんけつせいはこう)」。しばらく歩くと下肢に痛みやしびれが生じ、少し座って休むとまた歩けるようになります。症状が進行するとともに歩ける距離が短くなっていきます。
発症するのは高齢者に多いことから、このような症状が起こると整形外科を受診する前に周囲の人々から話を聞き、患者自身が勝手に病名を決めてしまっていることが意外に多いと言われています。それでも、すぐに整形外科を受診すれば良いのですが、“年だからしょうがない”などといって受診が遅くなってしまうことが多く、問題となっています。
それは、間歇性跛行は腰部脊柱管狭窄症だけではなく、『下肢閉塞性動脈硬化症』でも特徴的な症状だからです。
下肢の血流が動脈硬化によって悪化し、下肢にさまざまな症状を引き起こすのが下肢閉塞性動脈硬化症。進行すると足の潰瘍や壊疽を起こし、足を切断することにもなります。
症状はI期からIV期に分かれ、II期が間歇性破行の症状が出る段階です。
そのため、腰部脊柱管狭窄症を疑って整形外科を受診しても、血圧脈波検査装置などを用いて、下肢閉塞性動脈硬化症の検査が行われるところが増えています。両手首と両足首の血圧を同時に測定して血管の硬さや狭窄具合をみることで、閉塞性動脈硬化症か腰部脊柱管狭窄症かの診断ができるのです。
このような検査によって下肢閉塞性動脈硬化性ではないことがわかり、腰部脊柱管狭窄症が疑われると、整形外科で画像検査が行われ、状態によって「保存的治療」「手術的治療」となります。
勝手な思い込みで診断を受けないまま過ごすと、足の切断にもなりかねません。症状に気付いたら、まずは受診してしっかりと診察を受けましょう。
  • このコラムは、掲載日現在の内容となります。
    掲載時のものから情報が異なることがありますので、あらかじめご了承ください。

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