vol.17 患者数1000万人を超えた骨粗鬆症の予防

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Vol.17 患者数1000万人を超えた骨粗鬆症の予防 多くの女性が強い関心を示している病気に、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)があります。現在、日本での骨粗鬆症患者は1000万人を超えるといわれていますが、何とそのうちの80%にあたる800万人が女性です。年齢別でみると、50歳以上の女性の4人に1人が骨粗鬆症になっています。
骨粗鬆症はカルシウム不足により骨がスカスカになり骨折しやすくなる全身性の病気で、年をとると大腿骨(太ももの骨)などを骨折し、それが寝たきりに結びついたりと、極めて深刻な問題を引き起こします。だからこそ、早い時期から骨粗鬆症に対する予防が重要となるのです。

骨は一生不変のように思っている人もいるようですが、実は他の組織と同じように新陳代謝(骨代謝)、形成と吸収を繰り返しています。血液中のカルシウム濃度を一定に保つために、濃度が低くなると骨からカルシウムが放出されます。これが骨吸収です。それが一段落すると、破壊された骨にカルシウムを蓄えます。これが骨形成です。
この骨吸収と骨形成のバランスが崩れ、骨吸収が多くなってしまうと骨粗鬆症へと進み、日本骨代謝学会では、骨量が成人値(20~44歳)の平均値に対して70%未満になると、骨粗鬆症と判断しています。
特に問題となるのが閉経後の女性。女性ホルモンのエストロゲンが大量に分泌されている間は骨から必要以上にカルシウムが溶け出さないように働きますが、閉経後はエストロゲンが大いに不足するため、骨量の急激な減少がみられるのです。

(1)カルシウムをしっかり摂取しましょう!

厚生労働省はカルシウムを1日600mg摂取するように指導しています。ところが、この量でも多少不足気味です。もっと意識してカルシウムの多い「煮干し、いわしの丸干しなどの小魚」「ひじきなどの海藻」「牛乳・乳製品」「ゴマや大豆製品」「野菜」といったグループからバランスよく摂取すると十分に必要所要量は満たせます。また、吸収率をアップさせるには、吸収を高める働きのあるビタミンDを多く含む食品「魚類」「きのこ類」を一緒に摂るのがコツです。1日800mgを意識しましょう。

食品に含まれるカルシュウム量:牛乳200cc=200mg、豆腐 2/3丁=240mg、丸干しいわし 小1尾=240mg

(2)運動を行いましょう!

数多くの研究報告によって、どの年齢でも運動で骨量がアップすることが分かっています。運動で骨に刺激が加わると新しい骨を作る骨芽細胞が活性化し、その一方で、カルシウムを骨から放出する破骨細胞の働きが抑えられるからです。基本的にはウォーキングを毎日30分間ほど行うのがよいでしょう。また、ウォーキングのほかに、骨を支える筋肉の強化も大事です。この場合はダンベル体操などを上手に取り入れるとよいでしょう。また、運動により体の筋肉がきたえることで身のこなしがよくなると、転びにくくなり、骨折の防止にもつながります。

(3)日光浴をしましょう!

ビタミンDはカルシウムの吸収をよくするために、骨をつくるうえで欠かせない成分です。食事からだけではなく日光浴により皮膚でもつくられます。日光浴は、夏なら木陰で30分、冬なら顔や手に太陽光を当てて1時間も歩くとよいでしょう。

以上の3点「食事(カルシウムの摂取)」「運動」「日光浴」は、治療の段階でも重要です。さらに病気が進むと薬物療法を始めますが、特に女性の場合は女性ホルモン補充療法(HRT)があります。この療法は、2年前、米国で“乳がんのリスク”を高くすると報告があって以降、すっかり陰をひそめていましたが、ここへきて選択的エストロゲン受容体作動薬(SERM)が認可され、再度HRTも動き始めました。この薬は女性ホルモンと同じように作用するだけでなく、乳がんをも予防するといわれています。 ともあれ、骨量の少ない方は、まずは骨粗鬆症の専門医の診察を受け、十分に話し合うことが大事です。

  • このコラムは、掲載日現在の内容となります。
    掲載時のものから情報が異なることがありますので、あらかじめご了承ください。

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