vol.45 線維筋痛症は専門とする医師の治療を!!

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Vol.45 線維筋痛症は専門とする医師の治療を!!

最近話題になっている「線維筋痛症」。全身の筋肉や関節に原因不明の痛みが生じ、体のこわばりや激しい疲労感、睡眠障害、鬱症状などのさまざまな症状が長期間続く病気です。全国の一般住民調査によると、推定患者数は約200万人といわれています。

線維筋痛症は、病院で行う通常の検査をしても異常が現れないのが厄介です。そのため、痛みに苦しめられている患者さんの中には、医師や周囲の人々から「大げさ」「怠けたいだけだろう」といった心ない言葉を放たれて、傷ついている人が多くみられます。その結果、こうした患者さんは正しい診断と治療を求めて、医師を次から次へと変えてまわる「ドクターショッピング」に陥ってしまうのです。

線維筋痛症の診断基準は?

アメリカ・リウマチ学会(ACR)では、すでに1990年に「線維筋痛症の診断基準」を作成しています。それによると「全身に原因不明の痛みが3カ月以上続き、全身に18カ所ある圧痛ポイントを指で押し、痛い場所が11カ所以上あると、これを線維筋痛症と診断する」と示されています。

それから今日までの間に、原因はわからないものの、痛みが生じた背景として「出産・外傷・手術といった身体的負担が原因となって発症するケースが多い」ことや「社会生活的ストレスによって発症するケースも多い」ことから、心療内科を診療すべき疾患だということもわかってきました。

2009年には「線維筋痛症学会」が発足し、日本初のガイドラインを作成。2017年には最新のエビデンスを反映した『線維筋痛症診療ガイドライン 2017』も発刊され、整形外科やリウマチ科でも関心を寄せる医療機関も増えてきました。症状に心当たりがあれば、日本線維筋痛症学会診療ネットワークのホームページから、最寄りの医療機関を検索することをおすすめします。

●診療ネットワーク参加医療機関マップ
http://jcfi.jp/network/network_map/index.html

原因不明の痛みだけに、患者さんの不安は大きいもの。そのため、まずは正しい診断が大切です。診察は、問診・触診から始まり、似た症状の他の疾患と識別して診断を行います。痛みの原因を特定するために、エックス線検査、MRI検査、血液検査を行い、筋肉や骨など組織の異常がない場合は線維筋痛症が強く疑われることになります。

多面的アプローチによる治療が大切

通常、痛みがある場合は消炎鎮痛薬が処方されますが、線維筋痛症の痛みは炎症があって起きているわけではないので、一般的な痛み止めはほとんど効果がありません。そこで、神経障害性の疼痛(ずきずきとうずくような痛み)治療薬として「抗うつ薬」や「抗けいれん薬」「抗不安薬」「抗てんかん薬」などが処方されます。

抗うつ薬は痛みを抑え、気分を上向きにする作用があり、重症の患者さんには「SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)」や「SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)」が主に使われます。また、自律神経のバランスを整えるために、漢方薬が用いられることもあります。今のところ、特効薬と呼べるものはありませんが、2012年に「プレガバリン(リリカ)」が線維筋痛症による疼痛薬として保険適応の承認を取得しました。患者のQOL(生活の質)の改善につながるとして注目されています。

生活指導では、心身医学的アプローチが必要なため「心理療法」と「リラクゼーション」が行われます。心理療法としては、ストレスや生活の問題点を把握し、よりよい思考・行動パターンを身につける「認知行動療法」が有効とされています。リラクゼーション法として行われているのが、呼吸法やマッサージ、入浴などです。このほか、「運動療法」も効果的といわれています。反動をつけるような体操は痛みを起こすので、太極拳やヨガ、気功などのゆったりした動きを取り入れるといいでしょう。

線維筋痛症にはさまざまな治療法がありますが、どれかひとつを選択するのではなく、薬物療法に心理療法やリラクゼーション、運動療法などを組み合わせた多面的アプローチが必要とされています。

(参考)
『線維筋痛症診療ガイドライン 2017』日本線維筋痛症学会
https://minds.jcqhc.or.jp/docs/minds/FMS/CPGs2017_FM.pdf
『診療ネットワーク参加医療機関マップ』一般社団法人日本線維筋痛症学会
http://jcfi.jp/network/network_map/index.html
『薬剤治療』JFSA線維筋痛症友の会
https://www.jfsa.or.jp/page0103.html

更新日:2021.06.04

  • このコラムは、掲載日現在の内容となります。
    掲載時のものから情報が異なることがありますので、あらかじめご了承ください。

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