vol.47 腎臓がん手術で注目の「ミニマム創内視鏡下手術」

LINEで送る 一覧に戻る
Vol.47 腎臓がん手術で注目の「ミニマム創内視鏡下手術」 年間死亡者数約4000人といわれる腎臓がんの患者さんは、着実に増加し続けています。その腎臓がん治療のひとつとして、高度先進医療となった『ミニマム創内視鏡下手術』が広く注目を集めています。
なかなか完治の難しい腎臓がんの治療は「手術」が基本となります。これには「根治的腎摘除」のほか、腎臓にあるがん部分だけを小さく切除する「腎部分切除」があります。また、がん部分を焼いてしまう「マイクロ波凝固療法」「ラジオ波焼灼(しょうしゃく)療法」も試みられています。手術以外では「免疫療法」「化学療法」「放射線療法」があります。
手術には前述のように2通りあり、さらにそれぞれ手術法には「開腹手術」「腹腔鏡手術」がありましたが、さらにそこに「ミニマム創内視鏡下手術」が加わり、よりからだに負担の少ない手術が選択肢を広げることとなりました。
からだに負担の少ないといわれる腹腔鏡手術でも、腹部に3~4カ所、5~10ミリの孔(あな)を開ける以外に、腎臓を取り出す6センチ程度の切り口を腹部に開ける必要があります。
それに対し、ミニマム創内視鏡下手術は、腎臓を取り出す5~6センチの切開部1カ所だけで治療をすべて行います。切開した部分から内視鏡を入れ、モニターと肉眼を併用しながら腎臓を摘出するのです。

このミニマム創内視鏡下手術の注目される点は、以下の4点です。

(1) 指2~3本分幅の小さな傷がひとつだけです。
(2) 腹膜に傷をつけないので、術後に内臓の癒着(傷が治っていく過程で本当はくっついて欲しくない組織同士がくっつくこと)が起こりません。(腹膜とは、腹部の臓器をおおった薄い膜のことです。腎臓は腹膜の外にあり、ミニマム創内視鏡下手術では腹膜にまったく傷をつけないからです。)
(3) 腹腔鏡手術と異なり腹部に空間をつくる炭酸ガスを使わないため、ガスを注入することで起こるガス塞栓や肺梗塞などの合併症のリスクがまったくありません。
(4) かつて開腹手術をして癒着のある患者さんでも受けることができます。

ミニマム創内視鏡下手術は、高度先進医療として厚生労働大臣から承認されています。通常の保険診療では、診療の一部に保険適用外の新医療技術治療を受けた場合には全治療費が自己負担となりますが、高度先進医療として承認されたこの手術は、患者さんが新医療技術料を負担すればそれ以外の部分に保険適用が認められます。また、高度先進医療となると、腎臓の手術を行う場合、どの施設でもインフォームド・コンセント(説明と同意)を行うときに、ミニマム創内視鏡下手術の説明も行う必要があるため、多くの患者さんにこの新しい治療法を知ってもらうことができます。
現在、患者さん側からのこの選択が増えてきており、まさしく、注目される治療となっています。

※高度先進医療:厚生労働大臣が定める高度の医療技術を用いた医療。特定承認保険医療機関の承認を受けた大学病院や専門病院などの医療機関だけで行われる。

  • このコラムは、掲載日現在の内容となります。
    掲載時のものから情報が異なることがありますので、あらかじめご了承ください。

この記事をシェアする

LINEで送る
blank 商品のご購入はこちら
このページの先頭へ戻る