vol.55 身近な病気なのに知られていない機能性胃腸症

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Vol.55 身近な病気なのに知られていない機能性胃腸症 「胃の痛み」「腹部膨張感」「吐き気」「食欲不振」「胃のもたれ」「胸やけ」といった症状を訴える人は多いものです。日本人の4人に1人がこれらの症状を訴え、実際にその中の3人に1人が医療機関を受診しています。そして、うち半数の人が『機能性胃腸症』と診断されています。
これほど身近な病気にもかかわらず、この病名の認知度は、まだ低いのが現状です。

機能性胃腸症の診断基準は、以下のように決められています。「最近の3カ月間に食後のもたれ感、早期飽満感(すぐに満腹になる)、上腹部痛、上腹部灼熱感(胸やけ)の4つの症状のうち、1つ以上症状があること。さらに、上部消化管内視鏡検査などを行って器質性疾患(潰瘍や炎症など)が認められない場合」です。
原因は、ストレスによる胃の運動機能低下です。かつて、慢性胃炎、神経性胃炎、胃アトニー、胃下垂などの病名がついていた多くの疾患が、実は機能性胃腸症だったのです。
診断でのポイントは、内視鏡検査などを行って潰瘍や炎症などが認められない点になります。
機能性胃腸症は「運動不全型」「潰瘍(かいよう)型」「非特異型」の3つのタイプに分けられます。運動不全型は胃もたれなどの症状が中心となり、潰瘍型は胃潰瘍のような痛みが強く出るもの、非特異型は運動不全型と潰瘍型のどちらの症状も出るので、いわゆる混合型といえるものです。

治療は『薬物療法』が中心となり、それにあわせて『生活習慣の改善』を行うようにします。
例えば、運動不全型に対しては『運動機能改善薬』を使って胃腸の働きを改善します。さらに、『抗不安薬』を加えることもあります。不安を取り去るのが目的です。潰瘍型には、胃・十二指腸潰瘍の治療に用いられる『胃酸分泌抑制薬』が使われます。

そして、重要なのが生活習慣病の改善‥‥。ところが、医療の現場からの声は、「患者さんには、意外に食生活もきちんとしていて、たばこも吸わない人が多いのです」という声が聞かれます。
生活習慣病の改善のポイントは、ストレス解消ということになるでしょう。運動や趣味を楽しむのも良い方法ですが、何よりも重要なのが、十分な睡眠です。その点をしっかり実行すると、日本人の機能性胃腸症は減少に向かうのでは、と思われます。
  • このコラムは、掲載日現在の内容となります。
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