vol.65 2人に1人は経験がある『顎関節症』

LINEで送る 一覧に戻る
Vol.65 2人に1人は経験がある『顎関節症』 あなたは、次の症状を経験したことがありませんか――?「あごに痛みを感じる」「口が開けづらい」「口を開閉するときに顎関節(がくかんせつ)がカクカク、またはゴリゴリと音がする」。
思いあたると、あなたは『顎関節症』かもしれません。
顎関節症はちょっとしたタイミングで起きてしまうことのある病気で、カクカク、ゴリゴリといったあごの音だけの人まで含めると、日本人の半数はその経験がある、といわれています。
顎関節は左右対称にあるあごの関節。その顎関節と咀しゃく筋の病気が『顎関節症』なのです。前述の3大症状に加え、「首や肩のこり」「頭痛」「頭重感」「耳痛」などを訴える人もいます。
顎関節症は、ひとつの因子で起きるのではなく、多因子性と考えられています。
多因子とは、(1)顎関節や咀しゃく筋の脆弱(ぜいじゃく)性、(2)外傷の既往、(3)食いしばり、(4)かみ合わせの異常、(5)心理社会的ストレス、(6)性格など。これらの因子が重なって顎関節と咀しゃく筋に負担をかけ、個人の耐久力を超えてしまったときに発症するのです。
診察は、まずは問診からスタート。症状はいつごろからでて、どのように変化し、日常生活に支障はあるか。また、全身性の病気があるか、といった内容が聞かれます。
続いて、痛みのある部位や顎に触れたり、見たりして診察します。代表的な症状の開口障害の程度については、専門の検査器具を用いて調べ、前歯の上下の間が4cm以上を基準とし、それ以下の場合は開口障害と診断されます。
口の中の状態については歯や歯肉をチェックし、歯のすり減りが顕著なときは「歯ぎしり」「食いしばり」「かみしめ」の習慣が疑われます。
かみ合わせについても、特殊な紙を用いて調べます。
不安、抑うつ、ストレスについては問診や質問票でチェック。そして、あごや顔面の骨や関節に異常がないかどうかは、エックス線検査。もっと精査する必要があると考えられたときには、MRI(磁気共鳴画像)やCT(コンピュータ断層撮影)検査が追加されます。
結果、顎関節症と診断されると、専門医による治療が行われます。治療には「保存治療」と「外科治療」があるものの、外科治療が必要となる人は患者の約1%程度にすぎません。
治療の中核となる保存治療は「薬物療法」「理学療法」「運動療法」「スプリント療法」「心身医学療法」です。
薬物療法は痛みが強いときには鎮痛薬、あごの筋肉が緊張しすぎているときには筋弛緩薬、そして不安が強いときには抗不安薬が処方されます。
理学療法は整形外科とよく似ており、超音波や低周波などで関節の働きをよくするようにします。
運動療法は、あごのリハビリ。筋肉のストレッチをしたりして、顎関節の柔軟性を回復させ、開口量を増加させます。
スプリント療法は、歯に取り外しのできるスプリントと呼ばれる装置を装着します。夜間に装着することで、歯ぎしり、食いしばりなどによる害が少なくなるのです。
そして、心理的・環境的なストレスや性格の因子が大きいと判断される場合には、心身医学療法が行われます。今日、顎関節症患者が増加しているのは、心理的・環境的ストレスによる面が大きい、と指摘されています。
  • このコラムは、掲載日現在の内容となります。
    掲載時のものから情報が異なることがありますので、あらかじめご了承ください。

この記事をシェアする

LINEで送る
blank 商品のご購入はこちら
このページの先頭へ戻る