vol.82 日本の乾癬治療が大きく前進!

LINEで送る 一覧に戻る
Vol.82 日本の乾癬治療が大きく前進! 赤く盛りあがった発疹にカサカサした薄皮、いわゆる鱗屑(りんせつ)ができてはがれていく皮膚の慢性疾患である『乾癬(かんせん)』。症状のみならず、肌を見られることによるストレスも大きいのが特徴です。その治療に今年(2010年)1月、「生物学的製剤」である「レミケード」による効能・効果の追加承認がなされ、保険適用となりました。乾癬患者が待ち望んでいたことからも分かるように、臨床試験ではこれまでの治療薬にはないすぐれたな効果が認められているのです。
日本の乾癬患者は2003年の時点で約3万人といわれていましたが、今日では約10万人といわれています。
発症の原因はまだ分かっていませんが、体質的素因に加え、欧米型の食生活、気候、喫煙、アルコール、不眠、精神的ストレスといった環境因子のほか、風邪や扁桃炎などの感染症が引き金になることもあるといわれています。
乾癬ができるのは爪を含むあらゆる場所で、特に刺激を受けやすい肘、膝、お尻、頭などです。
乾癬の患部では表皮の新陳代謝が活発になり、普通は28日かかってアカとなる皮膚のサイクルが、わずか3~4日になってしまいます。そのため正常な皮膚がつくられず、カサカサしてしまうのです。また、乾癬の皮膚が赤くなるのは体内で自己免疫反応が起き、表皮内とその内側の真皮に白血球などの血液成分が集まって炎症を起こし、毛細血管を拡張させるからです。そして、炎症の患部にはTNFαと呼ばれる炎症の主な原因物質が大量につくり出されていることが分かっています。
治療は「外用薬」「内服薬」「紫外線療法(PUVA療法、UVB療法、ナローバンドUVB療法)」を上手に組み合わせて行うコンビネーション治療です。この治療法に、今回、ひとつ療法が増えました。それが効果の高い「点滴薬」の生物学的製剤・レミケードです。
レミケードは国内では「クローン病」「関節リウマチ」「ベーチェット病による難治性網膜ぶどう膜炎」の患者さん5万人以上に使用されています。
レミケードは「抗TNFαの抗体」とも呼ばれるように、患者さんの患部で増加しているTNFαに結合して、TNFαの働きをブロック。さらにTNFαを作り出している細胞も叩く働きがあります。
乾癬の90%を占める「尋常性乾癬」の患者さん99人に対して行われた臨床試験では、レミケードを最初に投与してから2週後、6週後の3回続けて投与したところ、最初に投与してから4週後の時点で約50%に急激な皮膚症状の改善がみられました。さらに、10週後には何と88%の患者さんに皮膚症状の多いなる改善がみられたのです。
結果、「長期間にわたって皮膚症状を改善し続ける効果が期待できる」「変形した爪を正常な爪に改善する効果がある」「関節破壊の進行を防ぐ」など多くの効果がみられました。
ただし、レミケードは優れた効果をもつ反面、副作用が出ることもあるので十分注意が必要です。主な副作用は次の通りです。

(1) 免疫の働きが低下して感染症(肺炎、結核、敗血症、日和見感染など)にかかりやすくなることがある。
(2) 点滴後3日以上過ぎて発熱、発疹、筋肉痛といったアレルギー症状がでることがある。
(3) 神経疾患の脱髄疾患を起こすことがある。
(4) 薬による間質性肺炎が起きることがあります。
(5) 肝機能障害や血液障害などがある。

乾癬の治療を専門とする主治医と十分に話し合って治療をしてください。

  • このコラムは、掲載日現在の内容となります。
    掲載時のものから情報が異なることがありますので、あらかじめご了承ください。

この記事をシェアする

LINEで送る
blank 商品のご購入はこちら
このページの先頭へ戻る