vol.90 日本でも進み始めた前立腺がんロボット支援手術!
健康・医療トピックス
手術ロボット「ダヴィンチ」を使った“ロボット支援手術”が日本でも現実的にスタートを切りました。手術を行う医師は遠隔操作機器の前で3D画像を見ながら、指先と足でロボットアームを動かし、切開、凝固等を行います。
ロボットのアームは4本、人間の指先以上に器用に動き、感覚的な操作が可能です。今、3世代目のロボットになり、まさに人間以上に確実な手術が可能になったと評価がアップ。これまで日本には3施設にしか入っていなかったダヴィンチですが、昨年から導入が進み、現在(2010年9月時点)は13の大学病院に導入されました。
世界的にみると、アメリカが1160台(2010年6月時点)、ヨーロッパが276台、アジアが81台、アジアでは日本の13台を超えているのが韓国30台、中国15台です。
ロボット支援手術は心臓外科、胸部外科、消化器外科、婦人科、泌尿器科で行われ、とりわけ泌尿器科での前立腺がん手術で、このロボット支援手術が大きな広がりを見せています。アメリカでは前立腺がんでの前立腺全摘除術の85%がロボット支援手術となっているのです。
日本での前立腺全摘除術は2009年2月から2010年6月までの17カ月の間に、東京医科大学病院では139例、金沢大学付属病院は30例、九州大学病院は8例、合計177例行われました。その中の東京医科大学病院は、前立腺全摘除術の80%をロボット支援手術が占めるまでになっています。
ロボット支援手術が広がりを見せている前立腺がんは前立腺にできるがん。前立腺は男性にのみ膀胱の出口に尿道を包むようにしてあるクルミ大の臓器で、精液の一部の前立腺液を分泌しています。
前立腺がんの治療は「手術」「放射線療法」「超音波療法」「内分泌療法」があり、手術の前立腺全摘除術は最も根治の可能性が高い方法です。これには「開腹手術」「腹腔鏡手術」「ロボット支援手術」があり、最も注目されているのがロボット支援手術です。
開腹手術、腹腔鏡手術、ロボット支援手術には、それぞれ長所、短所があります。
開腹手術は手術時間が短いのが長所ですが、入院期間が長い、出血量や合併症発生が多く、傷が残るのが短所です。
腹腔鏡手術は、刺し傷しか残らない点や入院期間が短い、出血量の少ないのが長所ですが、手術時間が長く、合併症の多い点、加えて手術の難しい点が短所となっています。
ロボット支援手術は手術時間としては中間で、入院期間が短く、刺し傷しか残らない、さらに出血量も合併症も少ないと長所が多くなっています。そのため、アメリカでは日帰り手術として行っている施設もあるほどです。
前立腺がんで手術適応と判断された場合、今後は日本でも3種類の手術の中で、ロボット支援手術を選択する患者が増えることが予想されています。
ロボットのアームは4本、人間の指先以上に器用に動き、感覚的な操作が可能です。今、3世代目のロボットになり、まさに人間以上に確実な手術が可能になったと評価がアップ。これまで日本には3施設にしか入っていなかったダヴィンチですが、昨年から導入が進み、現在(2010年9月時点)は13の大学病院に導入されました。
世界的にみると、アメリカが1160台(2010年6月時点)、ヨーロッパが276台、アジアが81台、アジアでは日本の13台を超えているのが韓国30台、中国15台です。
ロボット支援手術は心臓外科、胸部外科、消化器外科、婦人科、泌尿器科で行われ、とりわけ泌尿器科での前立腺がん手術で、このロボット支援手術が大きな広がりを見せています。アメリカでは前立腺がんでの前立腺全摘除術の85%がロボット支援手術となっているのです。
日本での前立腺全摘除術は2009年2月から2010年6月までの17カ月の間に、東京医科大学病院では139例、金沢大学付属病院は30例、九州大学病院は8例、合計177例行われました。その中の東京医科大学病院は、前立腺全摘除術の80%をロボット支援手術が占めるまでになっています。
ロボット支援手術が広がりを見せている前立腺がんは前立腺にできるがん。前立腺は男性にのみ膀胱の出口に尿道を包むようにしてあるクルミ大の臓器で、精液の一部の前立腺液を分泌しています。
前立腺がんの治療は「手術」「放射線療法」「超音波療法」「内分泌療法」があり、手術の前立腺全摘除術は最も根治の可能性が高い方法です。これには「開腹手術」「腹腔鏡手術」「ロボット支援手術」があり、最も注目されているのがロボット支援手術です。
開腹手術、腹腔鏡手術、ロボット支援手術には、それぞれ長所、短所があります。
開腹手術は手術時間が短いのが長所ですが、入院期間が長い、出血量や合併症発生が多く、傷が残るのが短所です。
腹腔鏡手術は、刺し傷しか残らない点や入院期間が短い、出血量の少ないのが長所ですが、手術時間が長く、合併症の多い点、加えて手術の難しい点が短所となっています。
ロボット支援手術は手術時間としては中間で、入院期間が短く、刺し傷しか残らない、さらに出血量も合併症も少ないと長所が多くなっています。そのため、アメリカでは日帰り手術として行っている施設もあるほどです。
前立腺がんで手術適応と判断された場合、今後は日本でも3種類の手術の中で、ロボット支援手術を選択する患者が増えることが予想されています。

※このコラムは、掲載日現在の内容となります。掲載時のものから情報が異なることがありますので、あらかじめご了承ください。
執筆者プロフィール

松井 宏夫
医学ジャーナリスト
- 略歴
- 1951年生まれ。
医療最前線の社会的問題に取り組み、高い評価を受けている。
名医本のパイオニアであるとともに、分かりやすい医療解説でも定評がある。
テレビは出演すると共に、『最終警告!たけしの本当は怖い家庭の医学』(テレビ朝日)に協力、『ブロードキャスター』(TBS)医療企画担当・出演、『これが世界のスーパードクター』(TBS)監修など。
ラジオは『笑顔でおは天!!』のコーナー『松井宏夫の健康百科』(文化放送)に出演のほか、新聞、週刊誌など幅広く活躍し、NPO日本医学ジャーナリスト協会副理事長を務めている。
主な著書は『全国名医・病院徹底ガイド』『この病気にこの名医PART1・2・3』『ガンにならない人の法則』(主婦と生活社)、『高くても受けたい最新の検査ガイド-最先端の検査ができる病院・クリニック47』(楽書ブックス)など著書は35冊を超える。