知人が健康診断で大動脈瘤が見つかったといっていました。自覚症状は何もないそうですが、大動脈瘤とはどんな病気ですか?
不整脈・心房細動
セルフチェック(正しい測り方・健康診断)
- 知人が健康診断で大動脈瘤が見つかったといっていました。自覚症状は何もないそうですが、大動脈瘤とはどんな病気ですか?
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大動脈にコブのような膨らみができる病気です。自覚症状はほとんどありませんが、破裂すると命にかかわるので、破裂を防ぐ治療をします。大動脈は心臓に直接つながり、全身に血液を送るおおもとになる血管で、直径が2~3cmあります。この大動脈の壁の一部がコブのようになり、血管の幅が1.5倍以上に膨らんだものを大動脈瘤といいます。大動脈瘤がおこる原因の多くは動脈硬化であり、動脈硬化により血管の壁が弱くなった部分に圧力がかかって、だんだん膨らむといわれています。高血圧がある人では動脈硬化になる危険があり、さらに血管に常に高い圧力がかかっているわけですから、とくに大動脈瘤に注意が必要です。
大動脈瘤の多くは、健康診断などで偶然発見されます。自覚症状はほとんどありませんが、動脈瘤が大きくなると破裂して大出血をおこし、突然激しい痛みに襲われます。破裂すると命にかかわりますので、大動脈瘤と診断されたら破裂を防ぐために、まず血圧を下げるための薬物療法が行われます。それでも動脈瘤が拡大したり、発見された時点で動脈瘤が大きい場合には、コブの内側に人工血管を留置してコブに血液が流れないようにしたり、コブがある部分の血管を人工血管に置換する手術などが行われます。
大動脈瘤のある人では血圧の管理がとても重要ですので、降圧薬を飲み忘れないようにし、塩分を控えることが大切です。元気だと思っている人でも健康診断などで定期的に血管をチェックしましょう。
先生のプロフィール

島本 和明 先生
日本医療大学総長
- 略歴
- 昭和46年 札幌医科大学卒業
昭和47年 札幌医科大学第二内科入局
昭和48年 東京大学医学部第三内科研究生
昭和53年 米国サウスカロライナ医科大学 留学
昭和55年 札幌医科大学第二内科講師
昭和59年 札幌医科大学第二内科助教授
平成8年 札幌医科大学第二内科教授
平成16年 札幌医科大学附属病院長
平成22年 札幌医科大学理事長・学長
平成28年 日本医療大学総長 - ご専門
- 内科学全般、循環器、高血圧、腎臓、内分泌、糖尿病