20代ですが、健康診断で高血圧といわれました。若年者の高血圧も薬を飲むなどの治療をするべきでしょうか?

高血圧 治療・リハビリ
20代ですが、健康診断で高血圧といわれました。若年者の高血圧も薬を飲むなどの治療をするべきでしょうか?
腎臓などの病気が原因で高血圧が起きている可能性がありますので、精密検査を受けましょう。原因がわからない場合は、医師の指導に基づき高血圧の治療に取り組みましょう。若い人でも高血圧を放っておくと脳卒中などを起こす可能性があります。
高血圧は発症の原因が判別できるか否かによって、本態性高血圧と二次性高血圧に分けられます。本態性高血圧とは、原因がはっきりとはわからない高血圧で、心臓や血管のいくつかの異常が組み合わさり高血圧が起きていると考えられています。二次性高血圧とは、腎臓、血管疾患、内分泌疾患などの病気に伴って起こる、原因が明らかな高血圧です。
二次性高血圧の患者さんは、全ての高血圧患者さんのうちの10%程度と考えられます。しかし、年齢の若い重症の高血圧患者さんでは、その半数以上が二次性高血圧であるとの調査結果があります。そのため、腎臓などの病気が原因で高血圧になっていないか、精密検査を受ける必要があります。二次性高血圧は、原因となっている病気の治療により、高血圧の多くが治癒可能です。
精密検査の結果、二次性高血圧でないとわかったら、医師の指導にしたがってまずは生活習慣を改善して血圧を下げることに取り組みましょう。生活習慣の改善のみで血圧値が130/85mmHg未満に下がらない場合は薬による治療が必要になります。
高血圧を治療しないでおくと、若い人でも心血管病(心筋梗塞や狭心症など)や、腎不全、脳卒中を起こすリスクが高くなりますので、できるだけ早く治療に取り組みましょう。

先生のプロフィール

島本 和明先生

島本 和明 先生

日本医療大学総長
略歴
昭和46年 札幌医科大学卒業
昭和47年 札幌医科大学第二内科入局
昭和48年 東京大学医学部第三内科研究生
昭和53年 米国サウスカロライナ医科大学 留学
昭和55年 札幌医科大学第二内科講師
昭和59年 札幌医科大学第二内科助教授
平成8年 札幌医科大学第二内科教授
平成16年 札幌医科大学附属病院長
平成22年 札幌医科大学理事長・学長
平成28年 日本医療大学総長
ご専門
内科学全般、循環器、高血圧、腎臓、内分泌、糖尿病

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