30代の知り合いが脳卒中で倒れました。脳卒中は高齢者に起きやすいと思っていましたが、若年者でも脳卒中になるのでしょうか?
脳卒中・脳梗塞
病名・疾患解説
- 30代の知り合いが脳卒中で倒れました。脳卒中は高齢者に起きやすいと思っていましたが、若年者でも脳卒中になるのでしょうか?
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若年者の脳卒中発症率は高齢者に比べ低率です。しかし、特殊な原因がある場合や、若くても生活習慣病がある場合には脳卒中を発症することがあります。日本での調査によると、若年者(50歳以下)の脳卒中発症率は、50歳以下で約9%、40歳以下で約2%と低くなっています。脳卒中のうち、高齢者では脳梗塞が多くを占めますが、若年者では脳内出血、くも膜下出血が多いのが特徴です。
また、高齢者の脳卒中が高血圧や高脂血症、糖尿病などの生活習慣病を背景とすることが多いのに比べ、若年者では脳動脈解離(脳の動脈の内側が裂ける病気)や脳動静脈奇形(脳の動脈と静脈が毛細血管を介さずに直接つながっている状態)など特殊な原因が多くなっています。
しかし、若年者であっても高血圧、高コレステロー血症、糖尿病、肥満などが重症な場合や、重症でなくてもこれらの重積がある場合には、動脈硬化が進行して脳梗塞、脳出血などを起こすことがあります。
先生のプロフィール

島本 和明 先生
日本医療大学総長
- 略歴
- 昭和46年 札幌医科大学卒業
昭和47年 札幌医科大学第二内科入局
昭和48年 東京大学医学部第三内科研究生
昭和53年 米国サウスカロライナ医科大学 留学
昭和55年 札幌医科大学第二内科講師
昭和59年 札幌医科大学第二内科助教授
平成8年 札幌医科大学第二内科教授
平成16年 札幌医科大学附属病院長
平成22年 札幌医科大学理事長・学長
平成28年 日本医療大学総長 - ご専門
- 内科学全般、循環器、高血圧、腎臓、内分泌、糖尿病
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脳卒中・脳梗塞自覚症状・予兆
Q.高血圧なので、脳卒中が心配です。脳卒中には徴候があると聞きますが、何も徴候がなければ脳卒中の心配はありませんか?
A.脳卒中の徴候がなくても小さな脳梗塞が生じていることがあります。定期的に脳ドックを受診しましょう。