ニュースリリース

脳卒中・心不全の発症ゼロ(ゼロイベント)に向けて 心疾患領域でのパートナーシップを強化

-心電図の解析および治療支援サービスを提供するアライブコア社(米国)に追加出資-
経営/事業

オムロン ヘルスケア株式会社(本社:京都府向日市、代表取締役社長:荻野勲、以下、当社)は、循環器疾患事業の事業ビジョン「脳・心血管疾患の発症ゼロ(ゼロイベント)」実現の加速を目的とし、オムロン株式会社を通じてAIを用いた個人の心電図解析技術をもち心房細動(AF)*1を中心とした心疾患の診断と治療の支援サービスおよび商品を提供するアライブコア( AliveCor, Inc 本社:米国カリフォルニア州マウンテンビュー、CEO:Priya Abani 、以下、アライブコア)に対して追加出資を実施しました。

アライブコアとは2017年3月に資本・事業提携を行い、以来、両社が有する技術および商品やサービスを通じて脳・心疾患領域におけるソリューション開発を推進してきました。アライブコアは100万人以上のユーザーと、8,500万件以上の心電図データを保有しています。2019年にはアライブコア社が持つ心電計測および心電図の解析技術とオムロンの血圧測定技術を用いた心電計付き血圧計「Complete™」を米国で発売し、現在もグローバルでの展開を進めています。今回の追加出資により、当社はアライブコアとの協力関係をさらに強化し心疾患の早期発見・早期治療介入に欠かせない家庭用心電計の普及や心電図のデータを用いた遠隔診療サービスの開発を加速させ,事業ビジョンであるゼロイベントの実現を目指します。

現在、高血圧患者は世界に約10億人おり、脳・心血管疾患による死亡者数は約1,790万人と言われています。さらに、世界の死因の第一位は虚血性心疾患、第二位は脳卒中です。また、高血圧と同様に脳・心血管疾患の原因といわれている「心房細動」を有する患者は、3,400万人*2いると言われています。心房細動患者は、そうでない人と比較して脳梗塞になるリスクが約5倍*3高く、また脳梗塞患者の20~30%は心房細動によるものという研究結果もあります。毎日の家庭での血圧測定に加え、心電図の記録を習慣化することにより、自覚症状や病院での検査では発見しづらい「心房細動」の早期発見を促し、早期治療へとつなげることができます。これにより、当社はゼロイベントを実現し、医療費の高騰抑止や生命寿命と健康寿命のギャップの縮小などの医療分野における社会的課題の解決を目指します。

  • *1心臓を収縮させる正常な電気信号以外に、不要な電気信号が発生し、心房の動きを乱してしまう状態
  • *2J Geriatr Cardiol. 2017 Mar; 14(3): 195-203.
  • *3P A Wolf, et. Al. Stroke. 1991;22:983-988

アライブコアについて

アライブコアは、心電図の心房細動、徐脈、頻脈および正常な心臓リズムを即時に検出する携帯型心電計KardiaMobile、心房細動の早期発見により患者と医師を支援するAI対応プラットフォームhighly-elevatedなど、心疾患領域の疾病管理向けに様々なデバイスとサービスをグローバルに提供しています。また、心疾患事業の更なる進化に向けて、同社が所有するバイタルデータを用いた自動解析技術(ディープラーニング)の開発にも取り組んでいます。